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テストステロン(前)

予防医学の概念の中にアンチエイジングががっつり市民権を得てきました。若さを保つためのキーワードとして数年前に『Successful Aging(健全なる加齢)』という単語を知りました。今回参加した第18回抗加齢歯科医学研究会の堀江重郎先生(順天堂大学泌尿器外科)のレクチャーを聞きながら、どうも次のキーワードは『テストステロン』なのではないかと感じました。

テストステロンは男性に多く、男性らしさを引き出すホルモンなので『男性ホルモン』と呼ばれていますが、女性でも作られます。実は、女性に男性ホルモンを投与すると社会貢献の行為をする人が有意に増えるのだそうです。講義のメモを写しますと、
●テストステロンの働き〜骨、筋肉、血液、性機能だけでなく、血管、脂質代謝、認知機能にも関与。テストステロンは神経突起を増やすのでこれが減ると認知症になりやすくなる。
●テストステロンは冒険(新しいことへのチャレンジ)、社会性(縄張り意識)、競争(順位や達成感)に関与するが、社会の中の自分を意識させるホルモンなので、これが高くなるとボランティアや寄付をしたり、公平・公正の気持ちが強くなってインチキやうそつきを嫌うようになる。
●薬指が長いとテストステロン優位/顔が長いとテストステロンが高値
●テストステロンが下がると、意欲が低下し、集中力に欠ける/チャレンジできない/人間関係が億劫になる/眠りが浅いなどの症状が現れ、認知機能低下/動脈硬化が進み体脂肪が増える/筋力が低下し、骨粗鬆症になる/排尿機能と男性機能の低下を来す。

さてさて、この辺りから身につまされる感じがして、徐々に話を聞くのが辛くなってき始めました。いわゆる『男性更年期』症状ですが、女性の更年期が閉経前後5年くらいに限定されるのに比べて、男性更年期はいつまで続くかわからない。つまり『更年(新しく生まれ変わる)期』ではないから『LOH(late onset hypogonadism)症候群』と呼ぶべきだと堀江先生はおっしゃっていました。日本人男性のテストステロンがどんどん低下し、女性のテストステロンがむしろ増加している昨今、もともと中高年男性のハツラツ度が女性より低いのに、さらにそれに拍車がかかっていく感じ・・・。

そして、さらに話は続きました。(つづく)

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