COPDを学ぶ(前)
COPD(慢性閉塞性肺疾患)が日本における死因順位の第9位にあり、今でも年々増加傾向にある現状の中(WHOによると2030年にはCOPDが世界の死因の第3位になると予測されているそうです)、COPDなのに病院を受診していなかったり診断すらされていない患者が大多数で、治療を受けているのは全患者数の5%にも満たないそうです。これは、予防医療の現場から啓蒙活動に取り組まないと追いつきません。だから、先日うちの病院の呼吸器内科のI先生にミニレクチャーをしてもらいました。
・タバコ感受性喫煙者と非感受性喫煙者
・病型には肺気腫病変優位の気腫型と末梢気管支壁が肥厚する非気腫型がある
・非気腫型の方が急性増悪を起こしやすい
・COPDの病態生理:細気管支が潰れて途中から呼気ができなくなる
・COPDの治療目標は機能維持だが、禁煙だけでなく有効な薬剤がある
・受動喫煙による日本の死亡者数が少なくとも年間6800人
などのCOPDの基本的な内容すら知らないことが多かったのですが、COPDの重要なことは、COPDは末梢肺の炎症が全身に漏れ出て病気を引き起こす『全身病』であるということ。特に呼吸不全による死亡は重症になってから起きますが、病期が軽度の時期に心筋梗塞やがんによる死亡が多いのです。わたしのカラダが蝕まれている”冠動脈石灰化”も、COPDの全死亡率と関連している病態だそうです。
(つづく)
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