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自信喪失?

一応、まだ循環器内科医のつもりのわたし。毎日約150人の安静時心電図と約25人の運動負荷心電図とを判読するのがわたしのルーチンワークです。それに何の疑問も感じずに日々仕事をこなしていますが、健診の世界に移ってきてもうすぐ15年、最近ちょっと変わってきた自分に気づいてしまいました。

安静時心電図は、ミネソタコードや独自の判定基準に従った自動判読所見が表示されます。施設によっては医師の判読ではなく、この自動判定所見を結果表にそのまま印字するところもあるようですが、わたしは、その所見など無視していつも勝手に診断していました。機械が機械的に読む所見は、波形を見て形として判断するのではなく、決められた数値の組み合わせのロジックに従って答を出すものなので、時々とんでもない読み間違いをすることがあって信用できないのです。人が相手の顔を見て過去の記憶から「○○さんだ」と判断するのに対して、「この眉毛の配置と口の大きさ、輪郭に対する鼻の比率から割り出すと、この組み合わせの顔は○○さんの可能性が高い」と判断するのと同じだと考えたらいいでしょう。

そこには長年循環器救急で培ってきた経験値というプライドもありました。でも、あれだけ無視してきた自動判定を最近はわざわざ確認することが多くなった自分がいます。ちょっとしたことを見落としたり、二重判読すると他の先生と食い違ったりすることが出てきたからです。数値による診断名(1度ブロックとか徐脈とか軸偏位とか)はいちいち計測して考えなくても機械が瞬時に答を出してくれるからカンニングした方が楽だったりします。絶対正常だと思っても一応確認してみたり・・・明らかに自信がなくなっています。偉そうに自分の目を信じて自分の考えを主張する心意気というものが失せているようです。ちょっと寂しい気もしますが、それでいいのだ!とも思います。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

おはようございます.

返信ありがとうございます。
先生にコメントとはおそれ多い発言?でした(笑)

今回の心電図のミネソタコードは私もそればかり見てWNLですと、すぐ[異常なし]にしてました。
20年位検体検査担当だったので、どちらかと言うと生化学、血算を広く浅く?です。

今フクダ電子の心電計でブルガタ波形が分からずです。
自分の目でこれと思ったものは、V1-V3 1肋上げて測定です

突然死 ブルガタは検診時でよく見つけられるのですか?

お時間のある時にでも教えてください。

PS まだまだ雪かき中です
   スキーしてる時は雪もいいんですが・・・

投稿: ゴマ子 | 2016年1月26日 (火) 11時25分

ゴマ子さん

ブルガダ騒動は最近は臨床現場でも若干下火(思ったほど突然死は多くないとのことで)だと聞いていますが、もし何かが起きたら必ず「健診の心電図ではなにか指摘された?」という検証が入ってきます。だから若干過敏になりすぎている感があってちょっとでもST上昇があると何でも引っかけてしまう施設もあるようです。実はブルガダ型心電図波形の正式な定義(基準)はないと思います。うちの施設では不整脈専門医と相談して、「この程度以上の所見が揃った時だけ精査指示にしよう」と取り決めをしています。それでもまあ、わたしの判断で昔ほどは引っかけていません。

このブログでは2009.4.20の記事をご参考までに。
http://satoritorinita.cocolog-nifty.com/satoritorinita/2009/04/post-3de1.html

投稿: ジャイ | 2016年1月26日 (火) 21時57分

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