思い出す作業
出身中学のメーリングリストがfacebookに替わって以降、それまでほとんど会話の機会のなかった同級生たちのアップを眺めることが多くなりました。コメントの応酬が始まると、最後は決まって中学時代の思い出話。どこどこの角を曲がると○○屋があって、あの店でむかし誰々が何をしたとか、誰くんの家に集まっていつも遊んでいたら誰々がこんなことを云ったとか、さらにそのまま小学生時代にまで遡ることも。よくもまあ、あんなむかしの細かいことまで覚えているものだなあと感心しきり。
こういうことに「くだらない」「バカバカしい」と拒絶する人も居ますし、もともと学生時代の付き合いを一切したがらない人も居ます。でも、こういう思い出話にはしっかり入り込むのが得策だと思っています。みんなが盛り上がっているけれどまったく思い出せない内容だったりするのですが、ここで、「どうせ思い出せない記憶だから」と拒絶せず、わずかな手がかりを元に思い出そうとする行為そのものが大事だと云われています。いわゆる『脳トレ』です。わたしの場合は、全然違うことを思い出してそっちの方がむしろ鮮明に蘇ったりすることもよくあります。ボケ防止のためにどうでもいい計算やゲームをするよりは、こっちの方が得られた記憶の蘇りが楽しいし嬉しい。
このような思い出し行為に長けている連中とてんでダメな連中とがいます(どっちかというとわたしは後者)。でも、突然唐突に何かを思い出そうとし始めるのは、本能のなせるワザかもしれません。脳が劣化しないように、脳を賦活をさせるための何かのシグナルが定期的に流れるのではありますまいか。わたしたちは彼らの脳のお告げに、とりあえず便乗させていただくのがよろしいかと思います。まあ、いくら思い出そうとしても微塵も思い出せずに、かえって凹んでしまうこともありますけれど。
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