ガタがきた自分は財産
アラフォーの女性受診者さん。人間ドックは検査項目が多いので、年々小さな異常を見つけ出します。単なる老化現象や女性ホルモンの変化によるものだけでなく、腰椎ヘルニアだとか子宮筋腫だとか、あるいは視力低下だとか、大病を患ったというのではないのだけれど元に戻らない身体のガタが出始めている自分にショックを受けておられました。
わかります、その感覚。何年か前にここでも書きましたが、自分にもそんな『壊れゆく自分への不安』に苛まれた時期がありました。若いころの病気やけがは治れば元に戻るものと思っていましたから、治っても元に戻らないもの、あるいはもう治らないものが出てくるに従って、自分は取り返しのつかないことをしてしまった!という絶望の念、というか挫折の感情。仕事でヘマをしてクビになるとか、犯罪を犯して前科者に成るとか、そういうのと同じような喪失感・・・。
今となれば、どうしてそんなことにそんなに大げさに悩んだのかわかりません。『慣れる』とか『あきらめる』とかとは違います。『この不調も含めて今の自分』・・・そんな今の自分を好きになってほしい。形あるものは必ず壊れるけれど、初めに準備された形が完成形ではありません。いろんな修正や手形や付け足しがあって最後に出来上がった自分が完成品。失っていくものばかりに目が行きますけど、なくなったものを補うために成長したもの(それはカラダだけではなくココロも含めて)、それの方がはるかに価値ある財産なんだと思うようになりました。
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