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臓器は一緒に衰える

80歳になる女性。いつも元気よく畑仕事をしているが、血圧はいつも200mmHgを超えていてハラハラする。こういうヒトにはどのようなアプローチをすれば病院受診行動に繋がるか?・・・ある地域の保健師さんからそんな相談を受けたのは、もう15年以上前のことだったと思います。「その歳になってとても元気なのだから、何もしなくていいんじゃないですか。血管が破綻を来したとしたらそれが寿命でしょうけれど、そう簡単には壊れないと思います」と答えたら、「そんな無責任な。今までなんとか持ちこたえているだけで、いつ何が起きるかわかりません。せっかくお元気なのだから、今のうちになんとかしてあげたいのです」と食い下がられました。

長い歳月をずっと耐え忍んだ血管壁は確かにヒビだらけで、いつ決壊してもおかしくないから、早くクスリを飲ませてその圧力負荷から解放してあげたい。地域の保健師として住民のために親身になって心配されていました。ただ、どうなのだろう。歳とともに衰えているのは血管だけではありません。解毒作用を司る肝臓も腎臓も一緒に歳を取っています。今まで平穏無事に機能していたところに突然、異物というか毒物が飛び込んできたとき、肝臓や腎臓は一気に狂ったりしないだろうか。脳血流の勢いが一気に落ちて脳貧血を起こすかもしれないということ以上に、そのことが心配になりました。

異物が体内に入らないまま人生を全うできるなら、そんな幸せなことはありますまい。

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