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手書き文字

最近始まった職場の新しい内部研修システムで、受講者も教育者も評価者も、皆が一枚のレポートを手書きで書き足しながら回していかなければならないことになって、クレームが殺到しました。わたしも書きましたが、確かにちょっと大変でした。

数行しか書けないスペースに、云いたいことを短くまとめて書き込む・・・いや、一昔前なら当たり前の作業です。診断書の書き込みもアンケートの記入も入院サマリーも。一般の方々は今でも諸手続きはなんでも手書きのはず。試験のときだってもちろん手書き。ただ、一方で、最近はなんでもワープロやパソコン入力。スマホも携帯もなんでもキーを叩く。間違ったら訂正できるしコピペも簡単で、文章をまとめるときにはとりあえず打ち込んでから並べ替えたり書き直したりできる。そんな作業に慣れている現代人は、こういう一発勝負の作業が苦手になっています。そこに書くべき内容を頭の中で整理して、どう表現するのが一番妥当かを選択し、漢字の間違いがないかの確認も行いながら、ボールペンで所定の欄内に書き込む必要があるのです。

むかし、大学の卒業論文は手書きでした(医学部にはありませんが)。学会の応募抄録も学術論文も手書きの方が良いといわれていました。原稿用紙に清書していて、最後の最後に「間違った!」と叫んでいた下宿の先輩の姿を思い出します。何度も何度も同じところで間違えてもんどり打っていましたが、そんな姿は今はなく、むしろ指導教官や査読者に手書きの汚い読みにくい文字を見せる方が失礼だ!という時代。

こんな時代だからこそ、「こういう手書きで考えをまとめる作業はたまには必要かもしれないよ」と口走ったら、皆が一斉に非難の目でわたしを睨みました。

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