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オーダーメイドに想う

糖尿病に関わる新たな遺伝子を発見 発症前に発見し保健指導で予防

このたび、理化学研究所や琉球大学、東京大学などの研究チームが日本人の2型糖尿病の発症に深く関わる7つの遺伝子を突き止めた、と発表されました。発症しやすいタイプの人は、そうでない人に比べて、2型糖尿病を発症するリスクが1~2割程度高かったということです。ゲノム解析により、むかしは夢物語だった”生活習慣病のオーダーメイド治療”が容易にできる時代になろうとしています。たしかに多々ある糖尿病の治療薬の中で自分のタイプに一番合う薬剤を選ぶことができればすばらしいことだと思います。

ただ、冒頭にある『近い将来に、糖尿病を発症する前の段階でリスクの高い人を発見し、生活指導を行うことで発症を予防できるようになる可能性がある』というコメントには物申したい。日本人の糖尿病はインスリン抵抗性(インスリンの働きが悪くなること)よりもインスリン分泌低下が主因の場合が多いので、自分が糖尿病になりやすいタイプ(分泌低下だけでなく、太りやすいとか他人よりインスリンが働きにくいとか)だとわかれば若いうちからそれに合った生活習慣作りができることは、保健指導の立場からは非常にやりやすい。それはそうです。それでは、そういうタイプではない(関連しそうな遺伝子タイプをあまり有さない)とわかったヒトたちはどうか。「運動したり暴飲暴食を避けたりいい睡眠を取ったりする努力は無駄な労力だから、しなくてもいいよ」と指導するつもりなのでしょうか。運動/食事/睡眠の整備などしなくてもいいのにそんなことをムダにさせられるのはヤリ損である!という扱い(その生活習慣の修正の取り組みが憂鬱なセレモニーであるかのような)は違うのではないか。むしろ運動/食事/睡眠の整備は、遺伝因子にかかわらずやればやるだけ得があるはずです・・・もったいないはなし。

この記事を読みながら、遺伝子タイプを持たないヒトたちのモチベーションを保つことの方がはるかに難しいと感じました。

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