睡眠と生活習慣病
最近とても気になるのです。生活習慣病を改善するために何をするかと質問すれば、ドックのスタッフであれ一般市民であれ、必ず『運動と食事』と答えます。うちの施設で生活習慣病に対して新しい取り組みの検討チームができましたが、彼らも運動指導と栄養相談が両輪だ!としか思っていない様子なのです。
それ、間違っていませんか? 今や生活習慣病のトレンドは『睡眠』と『腸内フローラ』でしょ? 『腸内フローラ』は結局食事と運動に関連するとして、『睡眠』こそ、意図的に管理すべき項目でしょ。運動や食事は基本中の基本だからそんなことはやっていて当たり前で、それに加えて、『いかにいい睡眠を取れるか?』が勝負であること、すでにテレビでも特集を組むほどになっています。専門医の研修会でもわざわざ専門医師が講師として招聘されて詳しい講義を受けました。
むかし、腸内細菌が生活習慣病やアレルギーの根源であると研究者たちが色めき立っていても”まゆつば物”扱いされていましたが、いつの間にか市民権を得たと思ったら一瞬のうちに当たり前に語られるようになりました。『睡眠』もそんな流れになるのかしら。後手後手に回らずにたまには先取りしてほしいと思うのだけれど、スタッフが二の足を踏むのはもしかして睡眠の専門家がいないから? 健康運動指導士や管理栄養士はいるけれど睡眠指導士がいないから、異常が見つかったとしてもどう指導して良いのかわからないというのかしら。それとも、睡眠なんてまだ海のモノとも山のモノともわからないのだし日本人は睡眠指導に色めき立たない(”睡眠を削ってなんぼ”が成功の秘訣だと思っている)ところがあるから、営業意欲がわかないのだろうか。どちらにしても、とても残念です。
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