許せない
懸念していたことが起きました。
人間ドックの常連受診者Aさんを外来に紹介したときのことです。その外来担当医師は、マスクで顔を隠し、Aさんの顔を一度も見上げることなく、聞き取れないようなボソボソ声で説明していたかと思ったら、おもむろに手術承諾書を取り出して、そこにサインしろと云う。『何を云ってるの? わたしは手術を受けるとか受けないとかそんな話ひとつも聞いてないよ!』と怒ったAさんは、突然席を立って診察室を出て、そのまま知り合いである病院幹部の部屋を訪ねて説明を求めました。病院幹部が説明をし、お腹を開ける手術ではなくて内視鏡検査に付随した治療のことだということは理解してもらえましたが、その外来医師の振る舞いは許せない!とAさんは引きません。「彼はシャイで朴とつとしているけれど、腕は確かだ。彼に身を委ねたらどうか?」という幹部の言葉にAさんは首を横に振ります。「どれだけ実力があるか知らないけれど、あんな態度の男を信用しろという方が無理だ」と。
その後のことはまだ報告を受けていませんが、まあ、これまでも何度も起きていたことでしょうし、どこの施設でもあることなのだと思います。何となくその場しのぎの対処がなされていたのだとすると、この機会にもっと問題視した方がいいと思います。とかく医療現場では医者は腫れ物を触るような扱いを受けます。自分の意思とは関係なく『裸の王様』状態にされ、よほど目に余る行動を取らない限り面と向かって注意されることがありません。皆が当たり前のようにやっていることは問題ないと思っていますが、それが患者さんには苦痛だったり腹を立てたりすることであってもなかなか自分では気づけないものです。
わたしも他人事ではありません。健診結果の説明は、結果票の数字を追いかけるかパソコン画面に映し出された画像を示すかばかりで、受診者の方を向くタイミングは思いの外少ないものです。何か質問してくれるならまだいいですが・・・。せめて、最初と最後には必ず向き合って顔を見るように心がけていますが、より一層注意しようと、襟を正したところです。
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