なにかあったらおいで
人間ドックで、うちから出した医療機関向けの紹介状の返信のうち一番多いのが『経過観察』で、”1年後の健診でフォロー”とか要らんことを付け加えて返ってきます。これはつまり、「この程度のことで外来に送って来るな、そっちで診ろ!」というメッセージだと受け止めましたけれど、中に挟まれた本人(受診者)にはいい迷惑です。時々、大腸ポリープとか甲状腺腫とか脳動脈拡張所見とかにも「1年後の健診で」と云われて、毎年受診される方がいますけれど、健診は保険診療ではないので外来で検査する費用の倍以上かかります。しかも所見があるのは分かっていますから、やむをえず『要経過観察』という判定をせざるを得ず、結局、だれもこのヒトのカラダのことをフォローする気がなく、金の浪費だけさせて、無責任な譲り合いをしていることになります。
「なにかあったらおいで」という外来の”医療用語”もまた門前払いのための最悪最強の逃げ口上です。これは外国でも云われるのでしょうか? 英語で何というのだろう?「とりあえず様子を見ましょう。なにかあったら来てください」と云われたら、皆さんどうしますか? 「なにもなかったらそのままで良い。なにかあったらもう一度受診しに来ればいいのだな」ととりあえず自分を納得させて病院を後にするのでしょうけれど、もともと「何かあった」から受診したのです。「なにか」ってどんなもの?どの程度のことが起きたら再受診したらいいの?と不安になりませんか。これは、「もうよっぽどのことが起きない限り二度と来るなよ!」と脅されているようなものです。それでいて、ギリギリまでガマンして「もうムリ」と観念して受診したら「どうしてこんなになるまで放ったらかしていたのか」と叱られるんです。理不尽なはなしです。
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