盗人(後)
(2016.3.11「盗人(前)」のつづき)
あれだけ友人が彼のことを褒めるのだから、もしかしたら彼は他人に云えない何かの秘密を抱えていたかもしれません。報道ではわからないことがたくさんある事件だから、あまり憶測では語れないけれど、どうしてこんなことになったのだろう?とやはり考えてしまいます。最初に本人と担任が立ち話したときから話はかみ合わなかったはず。わたしの知っている学校風景なら、担任は「こんな記録があるからダメだよ」と答えたとしても、必ず1年のときの担任に当時の経緯を聞くと思うのです。なぜなら、彼は推薦を求め、彼の人生の進路としてその高校に行きたいと思っているのだから。それが本当だったとしてもその後の彼を見守っているならなんとかしてあげたいと思うのが人情。「個人情報」だからという言い訳は無しだと思う。もしかして、その書き間違い事件は職員室のほんの数人しか知らなかったような軽い勘違いトラブルだったのでは? そして、自殺した彼はそんなことがあったこと自体を知らされていなかったのでは? 一地方の中学校なのに、どこぞのマンモス大学のような希薄な人間関係であることにとても大きなショックを覚えました。
学校への嫌がらせが続いていると聞きますが、きっとこの担任教師はこのまま辞めてしまうでしょう。でも、この事件にはまだ他に当事者がいます。その間違った情報を入力した(そのまま消さなかった)教師、そしてそのときに本当に万引きした生徒。表には出てきませんが、彼らもまた針のむしろです。むしろ本当の加害者は彼らなのですから、これから彼らは重い十字架を背負って生きることになるのでしょう。
デジタル化された合理的な情報管理と修正不可能な個人情報の誤伝達の時代・・・国や自治体のコンピュータミスはいかんともしがたいけれど、せめて義務教育の世界だけでもアナログな深い関係を培ってもらいたいと切に願います。わたしたちは機械ではなく人間なのだから・・・。
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