日常に戻る(後)
一気に日本中に知名度が上がった(たぶん、間違いなく今年の流行語大賞にノミネートされるだろう)『エコノミークラス症候群』もまた、心配のタネ。避難している人もしていない人も、みんながみんな口を揃えて「水? 飲んでますよ。エコノミークラス症候群が怖いですもんね」という。避難所の枕元には何本ものペットボトルのお茶や水が並んでいました。車中泊やあちこちへの避難を経験してみると、たしかに意図的に飲まない限り水分は取りません。喉も乾かないし、水が出ないから小便回数も減らしたい。飲みたくても手元にモノがない場合もあれば、大きなペットボトルがあってもカップがないと「まあ、いいや」と諦める。だから、脱水にならないように「とにかく水分をとりましょう」は一理ある。
ただ、カップ麺や非常食のお菓子ばかりを食いながらの水分補充・・・単に浮腫みを誘発するだけのことになっていないのか。腎臓や心臓に負荷をかけるだけになってはいないのか、実はわたしにもよく分かりません。わたしの場合は、被災の3日後になって急激に浮腫み始めました。そしてその翌日から突如利尿が始まり、昼夜を問わず1〜2時間ごとに小便に行きました。キャパを超えて体内代謝経路に入りきれなかった水分が、やっと処理できるようになった時期だと自己判断しましたが、これは一歩間違えば腎機能障害を誘発しかねません。それでなくてもタンパク質が不足しているのですから・・・エコノミークラス症候群予防のために水分を!は正しいのだけれど、やっぱり「ほどほどに」だし、じゃあいつまで?どの程度の量を?なる問いに答えようと思うと、ハタと困る。
カラダが非常から日常に戻るとき、何しろ脅しまくったのだから一般の方々にそのタイミングをきちんと教えてあげるべきですが、各々の置かれた環境が違いすぎて一概には云えずに躊躇してしまいます。熊本はこれから熱中症の季節です。
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コメント
某日本の軍隊にいた頃、中越地震で災害派遣に出動しました。九日間、風呂に入れず、情報は遮断されいつ帰れるのか・交代は来るのかも分からず。
俺は「阪神・淡路にも出た経験がある!」と豪語していた先輩はあっという間に壊れて、文句しか言わない厄介者に早変わり(笑)。
主食は缶コーヒー(何故か自販機は動いていたんですよね)と、炊き出しの釜にこびりついていた飯(炊き出しでも余ってるのを食べると、「被災者のためのものを食べた」とマスコミに叩かれますから)。それに腐りかけた醤油(トラックに荷台に転がってたんですよね)を掛けて食していました。
私が壊れなかったのは意拳・太気拳の站樁をまめにやり、心身のセルフケアに努めていたからです。中国では站樁療法として普及してるらしいですが、これを一日15分でもやれば「エコノミー? はてそれは異国の言葉でござるか?」となるのにな~、と思いつつ。
あ、余計な一言ですが、私がいたのはドクターやナース中心に編成される部隊です。「站樁療法」や食養生、鍼、ホメオパシーなどは即座に却下するご立派な方々の集まりでした(笑)。
投稿: コン | 2016年4月27日 (水) 08時30分
コンさん
先輩、叱咤激励ありがとうございます。私も、まだ始めて1年半にしかならないものの、嵩山少林拳を教わったおかげで、スキあらば騎馬(これが站樁に近いのでしょうか)と小洪拳をやっておりました(笑)
熊本にもDMATやJMATなどの医師団があちこち回ってくれている様子です。今日も避難所に行ったら、もう北九州医師団と岡山医師団が別々に来てくれたと言ってました。彼らのやることはあくまでも病気のチェックです。私たちのような予防医療の連中も並行して訪問していますから、マッサージや体操やら楽しくやっていますよ(笑)
投稿: ジャイ | 2016年4月27日 (水) 18時24分