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四つ葉のクローバー(2)

縁あって、今週は職場近くの小学校と中学校の避難所に保健師さんと一緒に巡回診察に行きました。

最初は互いに遠慮がありました。昼間に行っても居るのは子供たちと動けない高齢者ばかり。若い衆は家の片付けに帰ったり仕事に出たりしています。残った人たちはみんな横になって寝ています。夜の間、ひっきりなしに揺れるので眠れてないのです。そんな人たちに声をかけて無理やり起こすのは迷惑ではないか、そんな思いが先に立って数人にしか声をかけられません。避難しておられる皆さんもまた遠慮がちで、「大丈夫ですか?」と声をかけると「大丈夫です。ご苦労様です」と云って目を伏せる。ちょっとくらい喉が痛くても、忙しいのにそんな軽いことで声をかけては迷惑だろうというココロが働いているように見て取れます。

でも毎日通っているうちに、わかってきました。こんな場では遠慮していてはダメだということ。「こんにちは。変わりありませんか?」「お陰さまで大丈夫です」とここまでは同じ。でも、「ちょっと血圧でも測りませんか」と押し売りをすると「そう?そげぇ云うならちょっと測ってもらおうか」と身を起こしてくれます。隣りに寝ていたご家族も起き上がる。測りながら世間話を始めると、「実はちょっと足が痛い」「地震の晩に慌てて走ってから胸が痛い」「妊娠中だけど薬は飲んでいいのだろうか」とかから始まって、「残してきた家が心配だ」「夜になると色々考えて眠れなくなる」という話に変わっていきます。

私たちは薬の処方ができませんから、話を聞いたり生活のアドバイスをすることしかできません。それでも、このひとときが不安の解消に少しでも貢献できればいいなと思うばかりです。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

ご苦労様です。凝り固まった感情が声を掛け合ったり、何か行動をおこすなかで少しずつほぐれていく事ってけっこうありますよね。平穏な日々が訪れるのを願っています。
クローバー、しあわせのお裾分け、ほっこりしました。

投稿: くろちゃん | 2016年4月23日 (土) 06時47分

くろちゃんさん

ありがとうございます。私は1回目も2回目も一番壮絶な戦場だった時に職務を放っぽり出して我が身を守るのに必死でした。それがずっと負い目です。「この週末やっと帰れるよ」「ぐちゃぐちゃになっている家を見るのは憂鬱だなあ」と言っている職場スタッフの会話に入っていくことができません。だから、遅ればせながら少しでも穴埋めできればと思って出ていっています。

投稿: ジャイ | 2016年4月23日 (土) 07時32分

ジャイ先生

 いろいろなお気持ちになるのは人として自然なことですが、おそらく余震がほぼおさまってから一ヶ月くらいしないと、通常の現実感が戻って来ない状態が続きます。「急性ストレス反応(ASDR)」の状態です。
 この時期は視野が狭くなりますので、どうしても自責感などが通常よりも強く感じられてしまいます。

 ジャイ先生、被災からの復興はほんとうに長期戦です。被災時、被災直後の立ち位置は、自分自身では選べないものだろうと思います。 

 それぞれの働きどころが必ずあります。どうか、ご自身の現実感がまだ当分は通常モードではないことを意識しながら、日々を過されますように。状況が落ち着いて1ヶ月くらいから通常モードに戻りはじめ、3ヶ月くらいで大体は戻ります。

 その間、いろいろなお気持ちを体験されると思いますが、「今はそういう時期なんだな・・」とできるだけ無理をしないでやり過ごしてくださいまし。

 僭越ながら、現役時代(医療職ではありませんが)緊急支援の仕事をしておりましたので、何かのご縁とおもい、差し出がましく思いつつも書き込みする次第です。m(_ _)m

投稿: おかめ | 2016年4月23日 (土) 11時54分

おかめさん

とてもココロに響くアドバイスありがとうございます。明日アップする予定の(3)で自分の想うところを書くつもりでいますが、やはりこればかりは私自身が初めての経験なのでこれから先に自分もどうなるのか想像ができません。とりあえず、自分を責めることは今日で止めようと思います。

投稿: ジャイ | 2016年4月23日 (土) 20時46分

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