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学会活動

わたしが学会発表をしなくなってもう10年くらいになります。

むかしは、最先端の大きな学会のいくつかに毎年演題を出して発表し、それをそのまま論文として学会誌や医学雑誌に投稿することがステイタスだと教わり、忙しい仕事の合間の時間を使って頑張っていました。忙しさにかまけてそれをしなくなったら、その時点で医学者としての進歩はストップしてしまうから、常に問題意識を持って研究のネタになるものを日常診療の中から探し出すつもりで仕事をしなさい、とボスに云われて育ってきました。

ただ、正直云って、イヤでした。研究室で動物実験をしているのではなく、日常診療の中からアカデミックな真理を導き出そうとするわけですが、どこか患者さんを実験台にしているような気がするわけです。その時点までの何百人という患者さんの過去のデータを比較検討して法則を導き出そうとするだけならまだいいのですが、自分で立てた仮説を実証するために、例えば患者さんに診療とは直接関係なさそうな大量の質問や検査をしたり、取らなくてもいい血液を少し余分に採血させてもらったりすることがあります。そういう行為に良心の呵責を感じてしまうわたしのような者には、向かない作業のように思えました。あるいは、導き出したデータ分析結果で「『統計学的な有意差』が出た!これはすごい法則だ!」と喜んでみたところで、臨床現場の診療に用を成すのかといえば必ずしもそんなことはなく、その法則に当てはめてみると見事にはまるのだけれど、それによって患者さんの人生や治療法が大きく変わるわけでもない。それって、ただの自己満足ではないのか?と自問自答した日々。

世の学者さん方が日々研究に明け暮れ、未来のために頑張っておられる姿にはいつも頭がさがる思いです。でも、残念ながらわたしには向かないので、違う形で医療に貢献したいと思っています。

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