これから(前)
「少しずつ前に向かって動き始めています」・・・ご遠方から心配してくださる皆さんにはそうお答えしています。個人的には、(前か後ろかは定かではないけれど)とりあえず何かが変わっている感覚がありますから。
でも、社会はどうかというと、冷静にゴールデンウイークが始まる前と比べても、何が変わったかあまりよくわかりません。我が家のガスを復旧させてくれた大量の大阪ガスの車は姿を消し、ライフラインの普及はかなり進んだと聞きますが、ガス屋の車両もゴミ処理の車両も電気屋の車両も「災害救援車」表示の県外ナンバーが今でもたくさん走っています。路地路地に積まれた災害ゴミはきれいに持って行っても翌日には元のレベルまで増えます。小中学校再開を第一優先にして避難所はまとめられつつありますが、車中泊やテント生活の皆さんの数に大きな変化はありません。もちろん、TVに映る被災地の映像は3週間たっても大して変わりなく、余震の数や程度も変わりなし。遊園地のアトラクション並みに波打っている道路は相変わらずですが、ドライバーが要領を得てきたので大した渋滞にはならなくなりました。そうです。変わったのは、皆がそんな風景に慣れてきていることだけかもしれません。各家に貼られた応急危険度判定の緑紙・黄紙・赤紙が雨風ではがれそうになっているのを眺めながら、それなりの日数が経ったことを実感しています。
3週間前の惨事は夜中だっただけに夢の中の出来事のような錯覚に囚われることすらあります。ただこれは現実です。すべてを捨てて命からがら逃げだしたときから、3週間が経ちました。 (つづく)
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