炭水化物との関わり方
「野菜を先に食べてご飯を最後にという食べる順番も大切かも知れませんが、私は、ゆっくり食べ、楽しみながら食事をすることが最も大切であると思います。」・・・私が登録しているスローカロリー研究会からの記事を読んでいて、東京女子医大の柴崎千絵里先生のこのコトバにビビッときました。
”健康”というキーワードに対して、”糖質”を総じて敵視する風潮がいつの間にか当たり前になっていますが、わたしはずっと気に入らなかったのです。栄養学者でも代謝内科医でもないわたしの単なる実感だけのことなので、「糖質制限すればすべての臨床データが改善する」と理屈をこねられるといかんともしがたく、唇をかみしめておりました。糖質はエネルギー源であるばかりでなく、心身の落ち着きと潤いをもたらす重要栄養素であることは、おそらく人類みな実感としてわかっているはずです。単純に摂りすぎなだけ。そして、砂糖と糖質と炭水化物を栄養素の観点からいっしょくたにしてしまう風潮もいかがなものかと思っておりました。
「甘いものを否定するのではなく、いかに癒しとして上手に甘いものを取り入れてストレスの緩和に繋げられるかが重要ではないか」「本人が納得してゼロカロリーを摂取している患者さんは上手くいきますが、『ゼロカロリーならとってもいいんでしょ』といったスタンスの患者さんは失敗する」「思春期のやせ症で、母親が食にこだわり過ぎた結果、子供は甘いものを食べたことがないという例」「スイーツを『食べてはいけない』と指導するのではなく、『食べるのであればこのタイミング』という指導をしています。何かを頑張った時のご褒美のスイーツよりもこれから何かを頑張るための活力源のスイーツになれば良いですね」「どのような病気でも、多くの患者さんには食べたいという欲求があります。食べ方を否定するよりは、どのようにおいしく、楽しく食べるかを考えていきます」
こんな語録に興味を持たれた方は、是非この機会にスローカロリー研究会のHPから、連載「エネルギー源としての糖質を考える」を読破してみてはいかがでしょうか。
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