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フレイル(前)

生活習慣病の管理をしていく上で、最近のトレンドは睡眠と腸内フローラ。ただ、年齢とともに注目すべきはテストステロン(男性ホルモン)とフレイルやサルコペニアです。特に高齢者の人生の質を左右するのは『フレイル』だということを、もう少し強調すべき時期が来ていると痛感します。でも、何のことか知っている人自体どれくらいいるのでしょう?

そもそも、『フレイル』とはなんなのか? 日本老年医学会によると、「老化に伴い、筋力や心身の活力が低下した状態」と定義されているそうですが、じゃあ『サルコペニア』とどう違う? 『ダイナペニア』とは? なかなかきちんと表現できる日本語がない、という学者さん方の気持ちはわからんでもないけれど、それでなくてもロコモティブシンドロームですら定着しないのですから、まちっとわかりやすい用語にしてわかりやすい道標を作ってあげないと、普及は難しいのではないかしら。世がメタボ対策にすべてシフトした結果として、『やせることが善』という風潮をマジメな高齢者ほど意識してしまい、その呪縛から逃れられなくなっているのですから。

低栄養が高齢者の寿命や生活の質を著しく落としてしまいます。食べない→筋力低下→動かない→食欲低下→食べれない→動けない→活動量低下→・・・の負のスパイラルの大元は『食べないこと』なわけだから、高齢者は食べることは仕事だ!治療だ!と云ってはみるものの、当事者にはあまり響きません。 (つづく)

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