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フレイル(後)

(つづき)

今年82歳になるわたしの義母は、いたって元気で今でも現役で仕事しながら一人暮らししています。糖尿病と高血圧が出始めた10年ほど前に一念発起して食事と運動で10キロのダイエットに成功し、今も当時の体型を維持しているのが自慢です。ところがそういう生活をしてきたためか、最近は食が妙に細くなりました。娘が作った料理も半分くらいで「もう入らん」と云い始めます。それでもその後のスイカやおまんじゅうといったデザートは別腹の様ですから、無意識に食事制限を続けているのかもしれません。

『食べないことが美徳、生活習慣病になったら将来介護を受けなきゃいけなくなるのだから、摂取カロリーに注意すべきである!』と刷り込まれていたのに、ある年齢から急に『もっと食って太らないと介護受けなきゃいけなくなるかもしれない!』と脅され始める。そんな理不尽なことばかり云っていると何も信用されなくなるぞ!という懸念が出てきても不思議ではないでしょう。目の前のアバウトな概念の受け売りだけでは対処できません。

しかも食べるという行為は、食欲から始まって、噛むという高等技術と飲み込むという高度な機能をクリアさせないとできません。咀嚼機能と嚥下機能・・・「そんなもの、意識しなくてもだれでもできるさ」と思っているのは若いヒトだけではありません。高齢者自身もそう思い込んでいるがために誤嚥するようになるわけです。栄養を摂るということは、とても大変なこと・・・それは当事者も介護者も皆が若いうちから知っておかなければなりますまい。

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