同世代と比べて
「で、わたしのカラダは、同世代と比べて普通ですか?」
最近、こういう質問をされる人間ドック受診者の方が何人か続きました。こういう聞き方をする人は総じて立派な生活習慣病をお持ちです。それもいくつも。だから、そういうことは承知の上で、「同世代のオヤジと比べてどうなのか?」と確認したいらしい。みんなと同じくらいの悪さなら、まあしょうがないと安心できるのでしょう。「良いか、悪いか?」という聞き方は絶対しない。最悪、「まあまあですね」という範囲の返事をしやすい聞き方をします。
「どうですか? わたしは合格点ですか?」「だいたい歳相応でしょ?」「まあまあということだな」・・・そう云えば、昔からいろいろな表現法で誘導尋問を試みた方はたくさんいましたね。ウソでもいいから「そうですね」と云ってほしいのでしょう。『赤信号、みんなで渡れば怖くない』というむかしのお笑いネタの標語を思い出しました。
「少なくとも普通じゃないです。年齢よりも明らかに歳とっていると思います」・・・表情を壊すこともなくそう答えるわたしに、ちょっと憮然とした表情を返しながら部屋を出て行くアラフィフオヤジやアラフォーオヤジの顔がみな全く一緒でした。ヒトの説明を聞き流しておいて、自分の希望する返事なんかしてやるわけがない。第一、「今日の帰りに心筋梗塞で倒れても別に驚きませんよ」とちゃんと説明したんだから、同世代と同じはずがないじゃないか~!
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