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吉四六ばなし

わたしの故郷の大分には『吉四六さん』というとんちの効いた民話の主人公があります。野津町という今は臼杵市に合併されましたが、県南の小さな町に実在した人物だそうです。

わたしが吉四六さんのはなしをたくさん覚えているのは(まあ、大分県民なら当たり前なのかもしれませんが)、きっと子どもの頃、寝る前に父に吉四六ばなしをいくつも聞かせてもらっていたからではないかと思います。でも、「おまえ、そげん吉四六さんみたいな屁理屈んじょー云わんのぞ!」とよく父に叱られれいた記憶もあるので、きっと父は吉四六さんのことを決して尊敬すべき存在だとは思っていなかったのだろうと察します。『ちょっと怠け者で屁理屈コネ太郎で憎めないけど人の上に立つ人ではない』・・・間違ってもそんな人間にはなるなよ、と父が強く思っていたことが伺えます。

だから私も、子どもの頃には吉四六さんは『憎めないとんち者でいつも人を笑わせれくれる隣のおじさん』みたいな感覚で捉えていました。ところが、年を取るにつれ、特にここ10年くらいは吉四六さんはむしろ人生の憧れの存在に変貌してきています。彦一さんとは違う老練さがあります。悠々自適で飄々としていて、決して他人を非難せず、とんちで自分が得することを考えるけれど他人を蹴落とすことはせず、偉ぶることもなければ自分を卑下することもなく、陰で悪口を云うこともなく、勤勉実直というわけではないけれど実質正直者で不器用。仙人のような悟りなど程遠く到底達観はできずに煩悩だらけだけれど、悲観ということばが似合わない。そして、妻のおへまさんに頭が上がらない。

いいなあ、と思う。なんとかああなりたいと思うけれど、そう考えると絶対にたどり着けない程のとっても遠い存在。その思いは、日に日に強くなるばかりです。吉四六の町、野津には小さな頃一度バスに揺られて行ったことがありますが、今後あらためて再訪問してみたいなと思いました。

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