原因不明?
「わたしは若いころから白血球が1万を超えていて、一度専門医を紹介されて、骨髄穿刺検査を受けたことがあります。でも、特に問題はなく、先生も首をかしげて『原因がよくわからない。体質だろう』と云っていました」
先日、人間ドックを受けられたある男性が、そんな説明をしてくれました。
「その先生、どうしてそんなこと云ったんでしょうね。今日も白血球数が多いですが、その原因は明白です。タバコを吸っているからです。ヘビースモーカーの方の中には炎症でもないのに白血球数が1万を超えるヒトはたくさんいます」
わたしは、思ったままを口にしました。この方が、肺がんの腫瘍マーカーであるCEAもずっと高値で、肺CTに著明な肺気腫所見があるのも、みんなスモーキングのせい。それは、本人も気付いているはず。だから、何度も禁煙に挑戦しているのだから・・・禁煙できれば、きっと値が下がることでしょう。
そんなことは、普通の内科医ならみんな知っていることだと思うのですが、その某公立病院の血液内科医の云ったというそのコトバが気になりました。どうして『原因不明』と云ったのでしょう? 白血病や骨髄異常ではないので学問的興味が失せたからか? 証拠となる所見(炎症反応など)がないような非科学的な説明はできないと思ったのか? あるいは、自分自身も喫煙者だからあまりそのことに触れたくなかったからか・・・。
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