肥満パラドックス
<日本人高齢者に肥満パラドックスはあるか~1万3千人の研究>
『肥満パラドックス』というのは、本来肥満になればなるほど死亡率が増加するはずなのに、逆に肥満者ほど死亡率が低下することを示します。中高年以下のメタボが如何にカラダに悪いかがあちこちで示され、特定保健指導も含めて「とにかく痩せなさい」と指導されているのに、それが高齢者ではそうはいかない、というおはなしは、もはや常識。ここでも何度も語ってきました。ただ、わが国における肥満パラドックスのエビデンスが少ないため、岡山大学の山崎 賢士氏らによって高齢者1万3,280人のコホート研究が行われ、その結果、肥満パラドックスは日本でも認められ、とくに肥満の高齢男性において全死亡リスクが低い傾向にある、とGeriatrics & gerontology international誌オンライン版2016年8月4日号に報告したそうです。
それは事実だから良いとして、だから、太るべきだといって無理矢理食ってゴロゴロさせても意味はありません。サルコペニアやフレイル対策が重要だということです。歳を取ると、とくに男性は突然食べられなくなって筋肉がどんどんやせ細っていきやすい。だから、太った痩せたという問題ではなく、いかに元気で生き甲斐を持って活気ある生き方が長く続けられるか、が大事~そう、これがアンチエイジング:サクセスフルエイジングの極意でありましょう。
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