肉は良いのか悪いのか?
米飯論争に匹敵するくらい面倒くさいのが赤肉論争。
「赤肉(牛、豚などの哺乳類の肉)を主な蛋白質源としている人は寿命を縮めている可能性がある」「植物性蛋白質をより多く摂取している人は、動物性蛋白質を多量に摂取している人に比べて早期死亡のリスクが低くなる」(米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院)という報告です。脂肪と同じように、タンパク質も動物性より植物性がいい、赤肉より魚介がいい、という理論に対して、「動物の肉こそが健康長寿には欠かせない。元気で長生きしている老人はみんな毎日のように肉を食っている!」と真っ向から対抗姿勢のデータも最近は市民権を得てきました。「脂身があってもなくても肉がいい」と云い張るヒトたちの意見は、精製だろうと全粒だろうと炭水化物は全部一緒!というのにちょっと似ている感じを受けます。
その点でいうと、この報告の中にあった、「動物性蛋白質と死亡リスク増大に関連がみられたのは、肥満、過度の飲酒、喫煙、運動不足など、他にも不健康な生活習慣のある人に限られていた」というのは、とてもわかりやすい。肉ばかり食って毎日健康で元気な老人は、その他の生活もほとんど健康的なのであって、毒食ってゴロゴロしている連中が「ほれみたことか」と赤肉をむさぼり食っても健康に転ずることはない、ということを云っているのでしょう。赤肉に限らず、どっちにしても、『食べ過ぎる』行為がいいはずないことは、周知の事実でしょうけれど。
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