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『生死一如』

定期的に地元の新聞にコラムを掲載しているY先生は、わたしの高校時代の恩師です。今は地元の大きなお寺の住職をされています。

「春の後夏になり夏が終わって秋が来るのではない。春はそのまま夏の気配をはらみ、同時進行のように次の季節を迎えるから移り変わりが大層早いのだ。自然と人間を対比するに、死には順序さえない。死は前からばかりは来ない。いつの間にか後ろに肉薄しているものだ」(吉田兼好 徒然草155段から意訳)

「やがて死ぬけしきは見えず蝉の声」(松尾芭蕉)

「死を見つめれば生が輝く」(山本周五郎)

『生死一如』と題する今回のコラムを高校時代の友人がLINEで送ってくれました。生死は紙の表裏と同じように切り離したり判別したりできず、死は生に陰影のごとく寄り添って、同時進行で移り変わるものである、という真理を、著名なる古人のコトバを引用して解説しておられました。友人からはいつも送ってもらうのだけれど、深く読むことは半分くらいしかありません。でも、今回のコラムは妙にココロに染み入りました。今の私に必要な何かが隠れているからこそ、今のタイミングで今の私のココロの中に入り込んだのだろうと合点しております。

そんな恩師に今夜40年ぶりにお会いします。

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