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脅し

「そんな生活をしていると心筋梗塞になりますよ」「この所見があると○パーセントの確率で心筋梗塞になります」・・・毎日のようにこの手の医療情報が流れてきますし、これが医者や看護師や保健師さんたちが野放しな生活をしている患者や受診者に生活変容を促すときの決まり文句です。

「うちの県は高血圧患者が多く、脳卒中にかかる率が他の県より高いから、血圧の管理を厳格にしましょう」・・・保健指導の講話をするときにも、この内容を話の中に入れてほしいとよく主催者から頼まれたりします。

でも、わたしはこういうのあまり好きではありません。こんなこと話して脅したって、生活を変えるとは思えないから・・・少なくともわたしなら変えないと思うからです。痛くもかゆくもないのに、心筋梗塞になる確率がどれだけ高いと云われても変えられるものではありません。今の生活が良いとはこれっぽっちも思っていないし、こんなことしていちゃいけないことは分かっている。でもだからといって行動変容の後押しにはならない。「みんな生活を変えて、もう残ったのはあなただけですよ」とか云われたら別ですけれど・・・行動変容のきっかけはいろいろだからこんな脅しも一つのツールなのだろうけれど・・・人間なんてそんな甘いものではないと思うのです。

こういうことを話すと効果があると思っているヒトは、自分に実体験がないからなのではないかと思ったりします。「こんな脅し方をされて自分は生活を変えることができた」とか自分の知人にそういう人がいるとかいうヒト、居るのでしょうか? わたしが統計的な数値データをほとんど覚える気がない理由は、統計データは行動変容に大した影響を与えるとは思えないからです。

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