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もっと複雑なモノ

「○○を食べると、がんが予防できる」
「●●を飲むと、認知症予防の効果がある」
「△△は、老化防止効果が強い」

などという実験や検証データの紹介が毎日のようにメルマガで配信されてきます。さらに科学的検証などで各々の食材の中に含まれているどの物質にその効果の原因があるのかを突き止めて紹介されます。すばらしいことです。「だから○○や●●や△△を積極的に摂りましょう」という結論になる。

ところがその後、必ず科学者や医者が考えるのは、「この原因物質だけを取り出して高濃度に精製させたい。それが実現すれば、予防医療の最先端だ!」という発想です。でもこういう発想がこれまでことごとく上手くいっていないという現実を認めなければいけません。上手くいかない理由は、人間のカラダの仕組みがそう単純ではないということに尽きるだろうと思っています。”ゆらぎ”とか”不純物”とかいう曖昧で科学的な計測や意味づけがむずかしい自然界のわらわらの関わり合いがあってこそ、初めて効果的に作用しはじめるもの。もともと生きとし生けるものに『ムダなモノ』など存在するはずがないのですから、それを考えた上で突き詰めると、予防効果の目的を充たすために良いものだけを食べる、という行為そのものが虚しいモノに思えてなりません。

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