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過労死に思う

電通の若い女性社員が自殺した事件が話題になっています。『過労死』や『ブラック企業』という単語はひと時代前には存在しなかったかきわめて特殊な世界のコトバでした。今は、過重労働に対しての産業医面談の義務だとか、労基のきびしい指摘だとか、日常で当たり前のように問題が勃発していますので、状況は相当深刻なのだと思われます。

先月、うちの職場の夏の健診がありました。夜間勤務や放射線暴露の可能性のある仕事をする職員は年2回の職場健診が義務付けられています。2週の間、毎日50人以上の職員の診察を受け持ちましたが・・・そのときに驚いたのは、診察を待つ間、待合室の椅子に座った若い職員の半数以上(友人と談笑していないヒトのほとんど)が、居眠りをしていたことでした。爆睡していて名前を読んでも気付かないヒトも・・・。15年前まではわたしもこの世界にいたのでその過労さ加減はほぼ想像はできますが、ここまでみんなが疲れている異様な光景を目の当たりにして、コトはホントに深刻なのだなと思いました。

”ヒトの命に関わる救急医療の現場は、それが当たり前。自分で選んだ道なのだからしょうがない”と云われてきたわたしたちは、『ブラック』な環境がこれから変わることを期待するよりも、それがイヤなら止めて他に移ればいいと思ってしまうところがあります。過労とかうつとかいうのは、その場から逃れてしまえば解決すじゃないか!と。でも、選び抜かれた優秀な若者たちがこぞって疲れ切っている姿を眺めていると、「やりがいのある仕事だから!」と云うだけで乗り越えられるものだろうか?という不安に襲われます。うちの施設でも、労働環境改善委員会ができました。何かが変わっていくことを期待しています。

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