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ハードボイルド派に明日はない

2編めは、禁煙外来が保険診療で受けられるようになった時の話題。わたし的には、題名が好き。

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ハードボイルド派に明日はない (2006.9)

くゆらせる紫煙と煌めくジッポライター…北方謙三のハードボイルド小説には必須のアイテム。そんな主人公に自分の姿を重ねてきたであろう愛煙家の肩身はますます狭くなっています。3年前に始まった健康増進法も徐々に威力を発揮し、空港でも駅でも完全隔離かガラス張りの見せ物部屋送り、あるいは屋外追放の憂き目にあっているでしょう。それでも、先日講演を頼まれて行った会場ロビーのど真ん中にまだ堂々と灰皿がありました。一般の会社で行われる「分煙」の大部分はほとんど効果のないものです。巷に走る「禁煙タクシー」も10分乗ったら運転手のたばこの臭いが服に染みつきます。

国が販売を許可している以上、権利を主張する愛煙家の気持ちも分からないではないですが、「100%有害」と断言できるのに製造中止にならないのにはきっといろいろと諸事情がおありなのでしょう。ただ、たばこの害の深刻さは癌や肺への影響だけではありません。高血圧や糖尿病は喫煙すると心筋梗塞・脳卒中の率を倍増させますし、奇形児・知能障害・流産など人類存続にかかわる大事だということを意外に皆さんは知りません。以前担当した50代半ばの男性は、同窓会の2次会でついついもらいたばこ。久々の1本、久々のひと吸いで急性心筋梗塞になって悶絶しながら救急車で運ばれてきました。

本年4月から、基準を満たす医療機関に限り、禁煙外来を健康保険で受けられるようになりました。これは、たばこを吸うこと自体が「病気」=ヘロイン中毒患者と同じ扱いになったということで、多くの医療機関がエントリーしています。禁煙は根性でがんばる時代ではなくなりました。うまく医療の手助けを受けることです。今は、いつまでもハードボイルド(固ゆで卵)にこだわる石頭おやじではなく、医者を使って格好良く禁煙に取り組むダンディズムが旬でありましょう。レッツトライ!   

「そんなことを書いてるおまえ、こないだまで『禁煙なんてしない』って言ってなかったっけ?」  
「そーお?でも今や私は禁煙推進の旗頭さ。さあ、あんたも早くこっちにおいで!」

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