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善玉ではないHDL

先日、日本心臓リハビリテーション学会の九州支部地方会に行ってきました。指導士の更新を来年に控えて、5単位足りない更新単位(今年は熊本での研究会が中止になったもので)をもらうためにだけに出向いたつもりでしたら、内容が面白くてついつい聞き入ってしまいました。参加して良かったなと思いました。サブタイトル『しなやかな血管と強い筋肉を求めて』というのは、臨床現場の二次予防や三次予防より、むしろわたしたち一次予防に携わる者たちが常に頭に置いておくべきコトバです。

ランチョンセミナーで福岡大学の三浦伸一郎先生がレクチャーしてくれた、運動と生活習慣病のエビデンスのはなしは、分かりやすくて今後の生活指導の参考になりました。脂質異常のうち、善玉(HDL)コレステロールは血管壁に屯しているコレステロールを引き抜いて肝臓に連れ戻すのが仕事ですが、この引き抜き能力の高いHDLとそうでもないHDLがあるという。前者をfunctional HDL、後者をdysfunctional HDLと云うらしく、後者は血中濃度が80mg/dlを超えると多くなるようだ、と。つまり、「善玉コレステロールは多ければ多いほど良い」というわけでもないのだと云うのです。これはかなりショックでした。私のHDLはかなり高いんです。100mg/dl近いんです。

でも、その後の三浦先生の話を聞いているうちに少しモヤモヤが取れてきました。HDLコレステロールは量よりも質を大切に。まずは『禁煙』。喫煙によってビタミンCが破壊されてHDLが低下するのは周知の事実ですが、逆に禁煙すると確実にコレステロールの引き抜き能を改善させてくれるとのことです。そして改善効果が期待できるもう一つが『運動』。運動はHDLを増やしてくれます。HDLを5mg/dl上げると云うことは、LDL(悪玉)が40mg/dl低下するのと同効果があるのだそうです。さらに運動はコレステロールの引き抜き能を上昇させます。つまり運動はHDLの量を上げるのと併せて質も上げてくれることが期待できるのだそうです。

わたしのHDLコレステロールは運動するようになったから上がったのだと信じていますが、単に飲酒量が多いから(血中HDL値は摂取エチルアルコール濃度と直線的に比例するのです)なのかもしれないと考えるとちょっと悩みます。まさか、アルコールで上昇するHDLは全部がdysfunctionalとか云わないよね。

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