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正月休み(後)

(つづき)

コンビニもそうですが、世間の人たちが便利になるということは、必ず休めずに働く人がいるということで、その人の家族もまた正月を正月として味わえないということ。高度成長期のモーレツ社員やバブル期の「亭主元気で留守がいい」の時代でもなくなった昨今、過重労働が問題になり「ブラック企業」「ワーキングプア」などのコトバが生まれてきました。「過重労働はやむを得ず」と諦めていたうちのような救急医療現場でも、今はワーク・ライフ・バランスが重要な課題になっています。

『勤勉こそ美徳』の精神の日本人をもってしても、やっと「不便も良し!」と考え直すヒトが増えてきた気がします。ファミレスでも24時間営業を止めるところが出てきましたし、コンビニも「24時間営業しておかないと客が減る」という時代ではありません。サービスを提供する側も受ける側も「もういいんじゃないの?」と思い始めた今なら、どこまでも過剰になって引き返せなくなっていたサービス社会の構造を変えられる気がしています。

大晦日までとにかく慌ただしく、除夜の鐘が鳴った途端にピタッと時間が止まって、正月を正月として過ごす空間を再び取り戻せるチャンス到来!

厚労省は、毎月末金曜日に『プレミアムフライデー』を提案しています。午後3時に終業して空いた時間を買い物や食事やレジャーに費やすことで消費を促す、と云うわけですが、「これって、お店の従業員が働くこと前提なんでしょ? 変じゃない?」と思わず口にした妻の疑問が、的を射ていて笑いました。

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