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重症化予防(後)

(つづき)

健診や人間ドックで自分の今のカラダの状態を具体的に数値で知った方が断然やる気が起きていい!というヒトもいます。でも逆に、数値を知ってしまったがために泥沼にはまり込むヒトが少なくありません。知らなかったらもしかしたら寿命が10年短かったかもしれないけれど、その代わりにやりたいことだけに目を向けられる人生だったかもしれない。「このまま放っておくと将来心筋梗塞や脳梗塞になる危険性が高いから、悪化しないように今から生活を見直しましょう」と云われて数値の虜になってしまうとしたら、それは充実した楽しい人生なのか? もともと乱れた人生を送っているならともかく、今まで普通に健康的に生きてきたヒトでも、数値は必ずしも基準内にはなりません。急におそるおそるの生活を強いられることが『重症化予防』の生き方だとしたら、それはわたしの求めてきたモノとは別物です。

もともと国がこの施策を云い始めた目的は、健康増進などではなく、『医療費削減』です。「病気を未然に防いで健康的な人生を送りましょう。そのためには、未病状態から”良い生活習慣”を身に付けるようにがんばりましょう」と、現場担当者はまことしやかに云いますが、国にとっては”健康”なんて二の次のはず。そういう云い方をすれば国民も納得して動いてくれるはずだから無理やり理由付けした詭弁です。もし何もしなくても医療費が上がらない(国民が病気になっても治療など受けない)なら、病気でもないものに予算をつぎ込んだりしないはず。それは、禁煙対策が遅々として進まないのを考えれば一目瞭然です。

まあ、たとえ詭弁であっても、今までは「病気でないモノ」に予算など一円も付けなかったわけだし、医療介入すらさせなかったわけだから、それは格段の進歩なのだと思います。だから、わたしも講演の依頼を拒否せず受けるのであります。わたしのキライな『重症化予防』という概念さえ無視すればいいのですから。

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