諸刃の刃
「少量または適量の飲酒は虚血性脳卒中リスクを低減する可能性があるが、大量飲酒は虚血性脳卒中と出血性脳卒中の両方のリスクを高める」との報告(BMC Medicineオンライン版)なんですけれど、これはまあ要するに「適量のお酒はカラダにいいが飲み過ぎると逆効果」ってことだから、目新しい結果でもないです。 これはスエーデンからの報告ですから、”大量飲酒” なんて本当に連日浴びるほどに飲む連中のことなのだろうと思いきや、「1日2杯までの飲酒では虚血性脳卒中リスクが低減したが、出血性脳卒中リスクには影響しないようであった。多量~大量の飲酒(1日2~4杯超)は両方の脳卒中のリスク上昇と関連していた」とあります。2杯って、何が?とかも思いますが、あえて原著を読みたいとは思いません。
この手の報告は、使えそうで意外に使いにくい。タバコは少量でも猛毒だと云うのと違って、お酒が適量なら”百薬の長”で、過ぎたら”毒”に化けるのは分かっているのですが、酒好きにとっては”適量”はまさしく生殺しの量で、酒を飲めない人間にとってはたとえそれがリスクを下げてくれるとしても少量でも責め苦になります。こんなデータが出たからと云って実際の生活変容につながるとは思えず、むしろ酒を飲むことの正当性を主張する免罪符に使われる気がしないでもない。それが、酒飲み代表としてのわたしの実感です。
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