スカウティング
若いドクターにとって、予防医療というのはそんなにも魅力がないのか・・・正直なところ、わたしの働く職場の医局はかなり危うい。若いドクターが入ってこないから。アラカンおやじたちと小さなお子さんを持つ女医さんたちと、そしてしがらみのない非常勤医師たちで毎日薄氷を踏む思いでやりくりしているわけですから・・・わたしも含めて、どんどん疲弊していくのが手に取るように分かります。
ということで、リクルートが急務(急務といいながらもう何年も変わりがないですが)。あちこちに求人募集はかけているのに、一向に応募者がいないというのは、よほど魅力がない職場イメージなのでしょうか。
ふと、わたしが10年来応援するJリーグのサッカーチームのことを想いました。一時大量の負債を抱えてチームの存続の危機もあった田舎の貧乏チームなので、大企業のスポンサーが後ろ盾になっているビッグチームとはまったく別世界。ちょっと活躍したと思ったら翌年にはすぐに他チームに取られてしまって、毎年全く違う顔ぶれの選手で開幕戦を迎えます。出ていった選手は日本を代表する大選手に成長してくれて嬉しいけれど、でもやはりサポーターとしては寂しく辛いシーズンオフ。
そんな田舎チームですが、毎年、ちゃんとどこからか新しい選手がやってくる。無名の新人からかつてのスター選手までいろいろですが、彼らはちゃんとチームで機能して成果を出してくれます。これはもう、彼らを発掘して、熱意のあるオファーを出し、おカネもないのに引っ張って来れる優秀なスカウティング・スタッフの力以外の何者でもありますまい。
ネームバリューさえあれば、そして日頃から真摯に仕事に向かっていれば、自ずと優秀な人材はあちこちからやってくる・・・そんな時代ではありません。学会活動を盛んにして名前を売るとか、地域の大学病院に何度も頭を下げに行くとか、そんなことだけやってても何も変わりはしないでしょう。
困ったなあ。「そもそもわたしは土曜日に働く契約にはなっていない!」と堪忍袋の緒が切れてしまった某ドクターが先日事務方に苦情を入れていましたが・・・その分わたしが休まず働けば済むという次元ではないので、困ったものです。
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