炭水化物と腸内細菌
先日参加した第45回日本総合健診医学会総会は、うちの若いスタッフの発表の付き添いと単位をもらうための特別企画に参加するのが目的でしたので聴く内容も限られていましたが、そんな中で、シンポジウム「加齢リスクとサプリメント」での日経BPヒット総合研究所の西沢邦浩氏の講演『個別化医療時代の機能性食品利用と検査』はとても勉強になりました。
中でも印象的だったのは、最近はやりの『炭水化物制限』が日本人には向かないのではないか?ということ。それは腸内細菌の性質が日本人と欧米人で全く違うことに起因しています。日本人の腸内細菌には発酵性炭水化物を利用して生きているモノが多いそうなのです。だから日本人は炭水化物を制限することで結果として腸内細菌叢の生態系を壊すことになっているかもしれない、という。ヒトのカラダに共存共生する微生物を『マイクロバイオータ』と云い、マイクロバイオータが食べる炭水化物を『MAC』と呼ぶのだそうですが、穀物制限を続けるとMACが足りなくなり、それを食い物にする腸内細菌が死滅します。ところが、一旦死滅した細菌群はその後再びMACを採っても二度と産まれることはなく、さらにそんなお母さんから生まれた子どもにはその細菌群は存在しないというのです。
怖い話ではありませんか。(つづき)
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