アメリカ人の死因
<米国の心臓病・脳卒中・糖尿病死の5割が食事に問題/JAMA>(Care Net2017.3.16配信の記事から)
最近、同じような内容が頻繁に形を変えて報告されるのは、国家的危機に対する政治的な意図があるのでしょうか。心臓病や2型糖尿病といった心血管代謝疾患による死因の約45%が食事に起因していることを発表したのは、国民健康・栄養調査(NHANES)の結果を解析したタフツ大学のRenata Micha氏らのグループだそうです(JAMA. 2017 03 07;317(9);912-924)。
死因として一番多かったのはナトリウムの過剰摂取(心血管代謝疾患死の9.5%)で、次いでナッツ類の少量摂取(8.5%)、加工肉の多量摂取(8.2%)、シーフード・オメガ3脂肪酸の少量摂取(7.8%)、野菜の少量摂取(7.6%)、フルーツの少量摂取(7.5%)、砂糖入り飲料の多量摂取(7.4%)です。一方、2002~2012年の間に年間心血管代謝疾患死亡数が26.5%減少した理由は上記食生活の改善<多価不飽和脂肪酸少量摂取の減少(相対変化率:-20.8%)、ナッツ少量摂取の減少(-18.0%)、砂糖入り飲料の多量摂取の減少(-14.5%)>だそうです。
「悪いモノを減らして良いモノを食えば良くなるよ」という、健康オタクのわたしたちには何も新しい話題のない、どうと云うこともない内容。でも需要があるから作られるし売られるわけで、アメリカ人のこの傾向を改善する方法は、メーカーが悪いモノを作らない(あるいは廉価だったファストフードや赤身肉に多量の税金を上乗せする)方策しかないように思うのですが。
日本人はあまりこのデータを鵜呑みにしなくても大丈夫だということも最近よく云われます。いくら食事が欧米化していても日本人はアメリカ人のようなモノの食べ方は絶対に真似できないから(真似できる人は簡単に自然淘汰されるでしょう)。しかも日本人はニーズにとても敏感で、売れなくなる前に企業の方が先行して「カラダに良いモノ作ってますよ~」攻勢をかけるので、放っておいても大丈夫な様な気がします。
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