日本人は別物?(後)
(つづき)
ちょっと目からウロコの面白さでしょ(笑)
それを考えると、『日本人は炭水化物を控えてはいけない』という理論が何となく理解できるようになります。「炭水化物が栄養源になる腸内細菌が日本人には多い」というはなしは先日紹介しましたが、それとは全然違う角度から攻められてきます。日本人はインスリン分泌が少ない。それでも炭水化物の摂取が多ければブドウ糖を必要なだけ細胞に取り込むことができるのだけれど、炭水化物の摂取が減ると少ないインスリンではブドウ糖を十分確保できず、膵臓がそれでもインスリン分泌を高めようと頑張り、次第に疲弊して機能低下を来してインスリンを作る細胞が枯渇して糖尿病になっていく、という理屈です。だから、日本人の糖尿病の予防のポイントは、内臓脂肪を減らすこと+炭水化物を十分摂ることなのだと。現代の趨勢のみごとなアンチテーゼ。
内臓脂肪と云えば、これも日本人などのアジア人の特徴なのだそうです。欧米白人は皮下脂肪が多いのだそうです。欧米人は伝統的に大量の脂肪を摂取するので蓄積するキャパが広い皮下脂肪に蓄えます。でもアジア人は皮下脂肪を溜める能力がもともと低く、そのために余ったエネルギーはやむを得ず内臓脂肪に溜めるようになりました。ここに日本人特有の体質があるわけです。ちなみに、女性は女性ホルモン(エストロゲン)が内臓脂肪を分解して皮下脂肪に変化させる機能を有するのだそうです。だから閉経までは皮下脂肪が多く、閉経後に一気に内臓脂肪が増えていくことになるわけです。
その他にも、日本人には飽和脂肪酸も大事とか、食塩感受性は環境因子で変動するとか、日本人はもともとHDLコレステロールが多くて、食の欧米化が起きてもその傾向はあまり変わらないとか・・・これ以上は、実際に買って読んでくださいませ。
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