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タバコは禁煙だけど、アルコールは減らせばよい?

1日2杯のアルコール飲料摂取は心血管の健康に対し有害ではない

常日頃、「生活習慣病に関するデータは日本人のものでないと意味がない」と云い続けているわたしなのに、こういうデータはイギリスのはなしでも何か良いことはないかと、つい読んでしまうのであります。ここには2つのメガ解析の結果が紹介されています。

ひとつめは、アルコールを毎日2杯飲んでいる人たちがアルコール量を減らしても血圧に効果はなかったが、一日6杯以上飲んでいる連中は飲む量を半分に減らすだけで有意に改善した、というもの。だから、「大量飲酒者にとって、アルコール摂取量を1日2杯以下にすることが高血圧治療の第1選択となりうる」という結論のようです。

もうひとつは、アルコール摂取と血管硬化度の変化の関連を、25年以上の長期的観点からみた研究で、常習的大量飲酒の男性群と常時適正量飲酒の男性群を比較するとベースラインの頸動脈−大腿動脈間脈波伝播速度(PWV)の値が前者で有意に高値だったそうです。

今回の報告をまとめると、「1日2杯のワインやビールやカクテルをただ純粋に楽しむだけの人は何も有害なことをしていないという十分なエビデンスを得た」「大量飲酒している人は、より本格的なアルコール減量プログラムに取り組むべきだ」ということのようです。「英国民のうちアルコール摂取が1日2杯超である者の半数がアルコール摂取量を減らすと、収縮期血圧が140mmHg超である率が男性で4.4%、女性で1.2%低下し、その影響の大部分は中年期に現れる」・・・そうか、1日2杯までか、じゃあわたしはOKだ!と思った時に「あ、わたしは日本人だ」ということに気づいてちょっと萎れてしまいました。だから、気づかなかったことにしましょう。

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