タバコと肥満児
子どもの頃に親がたばこを吸っていたら過体重・肥満率が高くなり、室内で喫煙する親の子どもの方が室外で吸う親の子どもより過体重・肥満率が高かった、という結果を厚生労働省が「21世紀出世児縦断調査」から報告したそうです。
さて、これは単なる相関関係か因果関係か? そこに言及されていないからよく分かりませんが、わたしは子どもの頃に超肥満児で、わたしの父はたしかにスモーカーだったなと思ってはみるものの、関係ないでしょ。親がたばこを吸うと子が喘息になりやすいとかアレルギーを起こしやすいとか発達が遅れるとかキレやすい子ができるとかそういうのは以前から常識ですし、因果関係は明白だと理解できますが、「親が」という定義は両親のどっちかを限定していません。日頃一緒にいる母親が喫煙者なのかほとんど顔を合わせない父親が喫煙者なのかとは関係ないということになりますから、室内と室外の差(受動喫煙の有無)について言及してはいるものの、決してタバコの副流煙の曝露量との関係を明確にしているとはいえないことになります。
今時だから、喫煙に頓着せず、特に子どもの影響がどうのこうの考えない親は低所得者層に多く、食べ物の質を考える余裕がなくてファストフードや栄養バランスの偏った食べ物を食べさせていることが関与しているのかもしれないとも書かれています。
そうなると、さて、この厚労省の報告は医療現場にどう活かすことができましょうか? 「禁煙したら子どもが肥満児にならない」というモノではないから、禁煙指導の材料にはならないでしょうし、ワーキングプアから脱却できたら禁煙できる(あるいは禁煙したらワーキングプアから脱却できる)というモチベーション作りにもならない。せめて喫煙者限定で「自分の子どもたちの食生活だけは気を付けてほしい」と強調することでしょうか。
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