認知症が減っていく?
「2025年の認知症者数は推定で675万人となり、65歳以上の5人に1人の割合まで増える」(九州大学、二宮利治)という久山町研究の予想報告に異論を唱える人はいないでしょうし、だからわたしみたいにモロにその世代に突入する者は戦々恐々としています。そこへこの「欧米では認知症有病率が減っている」という報告の紹介・・・ちょっと浮き足立った気分で読ませていただきました。米国、英国、オランダ、ドイツ、スウェーデン・・・分析の仕方に問題のあるものもありましょうが、これだけ多くの国が減少報告をしているわけだから、「認知症は減少する」で間違いないように思います(思いたい)。
「これまで日本では認知症患者が増加する推計ばかりが大きく取り上げられ、生活習慣病や食事、運動、精神面に対する介入により、発症時期を遅らせられるかもしれないという視点は持たれていなかった。認知症の発症予防や進行を遅らせる方法を模索するためにも、過去のデータを読み解く必要がある」(国立長寿医療研究センター、遠藤英俊)・・・つまり研究する上での前提にバイアスがかかっているという指摘は重要なポイントかも知れません。そして、「認知症の発症を抑えるために特に有用とされているのが社会活動と運動、そして食事だ」(筑波大学、玉岡晃)というきわめてありふれた常識的な結論が出されるとなると、これは本当に現実味をもって、今の生活習慣病改善のための取り組みが福音になる可能性が高い、と云えるではないかと感じました。
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