病院の空気
お昼休み。職場である病院の廊下を運動のために歩き回ってみることがあります。二階から階下の外来フロアを眺めると、今日もたくさんの患者さんやその家族、あるいは付き添ったり説明したりの病院スタッフが行き交っています。でもやはりそこに流れる空気は一種独特で、同じような賑わいだとはいえ休日のショッピングモールのような華やかさはありません。それは、当たり前といえば当たり前。このフロアで大きな笑い声や明るい笑顔があちこちで見られる方が違和感がある。具合が悪い人だけがここに集まってきているのだから。
「ここの病院は、玄関を入っただけで空気が暗いなあ」とか感じることがよくあります。もちろん逆のことも。病院は、体調が悪い人が集まってくるところだからこそできるだけ明るくありたいと、スタッフは色々工夫します。華やかな花をかざったり、電灯の明るさを明るくしたり。ナースの制服の色を明るいピンクやブルーにしたりするのも、それが目的だと思います。
でも・・・昼下がりの廊下を歩きながら思うのです。病院に明るさや華やかさを求めようとするのはどんなもんだろう?と。「病は気から」とは申しますが、場違いな華やかさはかえって煩わしく、もっと静かで厳粛であっても問題はないのではないかと。静かなクラッシックやジャズなどのバックグラウンドミュージックがそっと流れるくらいがいいかもしれない。
傍から眺めていると、そこにはそれぞれの人生が見えてきます。だからこそ一種独特な空気が漂っている病院という空間。可能ならば、経験しないまま人生を終われるのが良いな、と思いながら通り過ぎました。
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