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「抗微生物薬適正使用の手引き」

最近は、「風邪引いた」とか「お腹が壊れた」とかでクリニックを受診しても抗菌剤/抗生剤の予防投与をする先生はほとんどいなくなったと思うのですが、中には昔ながらの『風邪薬+予防的に抗生剤』がセットで出されているところもまだあるのでしょう。患者さんの方も、抗菌剤を出さないと何かケチられた気分になったりするひともいるようで。厚生労働省が今年5月以降に公表する予定という「抗微生物薬適正使用の手引き」は、これのことでしょうか。実は、風邪やノロはじっと嵐を通り過ぎるのを待つしか手立てがないのであります(運悪く自分の所に竜巻が発生してしまったんだと諦めて)。

「手引き」は外来診療を行う医療従事者を対象にする。日本では抗菌薬の1日使用量の92.4%を経口抗菌薬が占めるためだ。第一版では急性気道感染症(感冒、急性鼻副鼻腔炎、急性咽頭炎、急性気管支炎)と急性下痢症(サルモネラ腸炎、カンピロバクター腸炎、腸管出血性大腸菌腸炎)に焦点を当て、原則として抗菌薬の投与を行わないよう求めている。」とのこと。ウイルス感染に抗菌剤は無意味である上に、無用の処方で耐性菌を生み出す温床になっていることを懸念しているようです。

そう云いながら、簡単そうで簡単でないのが感染症。わたしは処方することがないから気が楽ですが、単なる症状だけではウイルス感染か細菌感染か区別が付けられないことは少なくなく、特にご高齢の方は肺炎になっていても大した症状でない事はままあること。「初期治療を誤った」とか非難されるとたまったものではありません。かなりしっかりとした手引きを発行してもらいたいものだと思います。

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