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有意差

新しいクスリを開発する、あるいは治療機器を売り出すと云う場合、その効果のほどを実証するために行われるのが臨床治験であり、効果があったかどうかを示すのが統計学的有意差というものです。わたしの知人に、痛みを和らげる機器を開発している人がいます。「痛み」という主観的なものの効果を証明するのはとても難しいのですが、症状日誌だけでなく、生理学的検査や神経学的検査などで検証しています。その彼が、云うのです。「普通、臨床治験といえば何百、何千人のデータを集めた上で効果に有意差が出るかどうかを競っているのだけれど、自分たちの機器はまだ二十人弱しかやってないのにすでに有意差が認められている。すごいことでしょ」・・・確かに素晴らしい機器の開発をしているなと思います。

でも、一方で、彼は典型的な理系人間だなとも感じました。有意差検定が必要だということは、つまり効かない人がいる、少なくとも効かないと感じている人がいる・・・高い機器を買っても無駄買いになる人がいる、ということです。クスリもそうですが、有意差検定はイコール確率論ですから、医薬品として認められたら、中にたまたま効かない人がいたとしても「それは仕方のない」こと。「万人に効くのは理想だけどそうはいかない。でも残りの人に効くだけでもそれは素晴らしいではないか」という当事者ならではの理屈はよくわかる。でも・・・例えば体調が悪くて病院を受診して、処方されたクスリをきちんと服用したけどほとんど効かなかった時、そのクスリ代を全額返金してくれたりしない。それは、その確率論で有意差があることを認めて多くの人に効くクスリだと国がお墨付きを出したものだから、効かないのは運が悪かっただけだから諦めなさい。他に効きそうなクスリを見繕ってあげるから、それで効くなら良いでしょ?ということです(無料ではありませんけど)。

乱暴な云い方ですが、「すごい有意差が出た」と自慢している彼が、「コンビニで売っている○○というサプリを飲んだら老眼が治った」という人に、「そんなのはただの気のせいだ」と笑ってバカにしている姿を見ると、どっちも似たようなものではないの?と思ってしまうわたしです。

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