どうでもいい所見
心電図検査で見られる基準より一、二拍少ないだけの洞性徐脈とか、胸写のいつからあるのか分からないような肺尖部胸膜肥厚所見とか、眼底の年齢相応だと思われる動脈壁反射亢進所見とか、きっと読影担当の医師の価値観や性格だけで有りにしたりしなかったりするような『どうでもいい所見』が、健診現場には沢山あります。大勢に何の影響もなく、臨床的に何の問題もないこのような所見でも、受診者にとってはとても気になるらしい。「前回はあったのに今回なくなったのは何故か?」「この所見があったりなかったりするのは何故か?」「今回初めて指摘されたのは何が原因か?」と妙に食い下がられます。「これは読影者によって読んだり読まなかったりするけれど、ほとんど問題のない所見ですから心配は要りません」と説明はするけれど、その怪訝そうな表情を見る限り、納得はいってないようです。
同じ人間の同じ検査なのに、どうして見る医者によって診断が違うのか? ずっと同じ施設で受けているのに前と比べていないのか? もしやこれは見落としではないのか? とそんな疑念が顔一杯に書かれています。1つ疑えば全てが信用できなくなるもの。他の検査結果もそんないい加減な対処なのではないか?と疑われる可能性もあります。そんなものその日の撮影条件だけでも違うんだから、見えてもいない所見を、前回は読んだからといって書くわけにもいかず、そう話すと今度は、「そんないい加減な機械を使っているのか? 安物を使うからだ」と叱られて、「今まで行っていた◯◯センターでは毎回きちんと指摘されていたのに・・・」とか嫌味を云う人もいます。
「どうでもいい」とかいう表現を使うから気分を害するのかもしれないけれど、だってホントに、どうでもいいんだもの。
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