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なぜ、内臓脂肪か?

引き続き、先日の第17回日本抗加齢医学会総会の話題から。メタボリックシンドロームの第一人者、慶應大学の伊藤裕先生の講演『メタボエイジングとイムノエイジング結ぶもの』をランチョンセミナーで拝聴しました。

食べすぎと老化やメタボの関係はずっと云われてきましたが、善玉脂肪が悪玉化するのに黒幕になっているのが炎症反応で、その中心になるのが腸管であり腸内細菌であるという、新しい概念がにわかに割り込んできました。なぜにメタボは皮下脂肪ではなくて内臓脂肪が関わるのか? 内臓脂肪というのは腸の周りにある腸間膜に付いた脂肪のことですから、腸と隣接しています。実は、高脂肪食を食べるとごく早期から腸管に炎症が起き、マクロファージが呼び寄せられて炎症反応が活発化することによって腸管粘膜を障害してバリア機能を破綻させるのだそうです。動物実験では、高脂肪食を大量に取らせると炎症によって腸の長さが短くなることが示されました。1ヶ月で大腸の炎症を起こし、それが隣接する肝臓の炎症を誘発し そこから内臓脂肪に炎症が及ぶという理屈でメタボが発症するのではないかと、伊藤先生は説明されました。高脂肪食でなくても何かを食べると腸管で炎症が起き、食べないと炎症が落ち着くのだという。つまり、腸管で起きる炎症は太っていなくても起き、逆に 腸管に炎症さえ起きなければ太っていてもメタボにはならないことを強調されました。

さて、ヒトが食べたものをエネルギーに変えるか炎症反応をもたらすかは、腸内細菌が決めるということがわかっています。例えば、腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸は腸内バリア機能を低下させ、腸管免疫担当細胞群の機能を低下させます。また腎臓の働きと腸の働きはいつも連動していて、腎不全の人の腸管には萎縮が見られます。腎臓が悪くなると腸も悪くなり、腎臓が良くなると腸も良くなる、あるいは腸が良くなると腎臓も良くなるということから、その何れもが腸内細菌の仕業だということがわかってきたそうです。

なかなか興味深いはなしですが、奥底に一層難しい関係が隠れていそうで、わたしの理解力ではここまでが限界でした。ま、要するに『メタボでは、筋肉を鍛えるよりも腸を鍛えろ、ということですね』と総括した座長先生のことばが全てかもしれません。

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