肝機能異常
健診で精査や治療の指示を受けた項目の中で、一番未受診者(紹介状をもらっても受診していない人)が多いのが『肝機能異常』だと思います。劇症肝炎やウイルス性肝障害を除けば、基本的に生活習慣の改善しか対処法がありません。画期的な治療法はなく、クスリをもらうわけでもないのに、わざわざ金を払って受診するとは思えません。受診しても、どうせ云われることは分かっているのですから。
健診をする側の思惑とは裏腹です。わざわざ金を払って叱られに行くはずがないから、なかなか難儀です。「そんなこと、云われんでも分かっとるわ!」「やってるけど、全然良くならんのやないか!」・・・受診者の皆さんの気持ちはわかります。それに対して、それでも努力が足りないのだ!と突っぱねられそうだから、「症状が何もない」と言い訳して受診しないでいるわけでしょう。
非アルコール性脂肪肝による肝障害=NASHが現代社会の問題点としてクローズアップされ、「医者が放ったらかしているから、健診機関が厳しく云わないから、脂肪肝が悪化するのだ」と叱られますけど、放ったらかしているわけじゃないのです。受診勧奨も危険性の説明もしっかりしているけれど受診しないのだもの、しょうがないじゃない。ま、少なくとも、わたしが当事者になっても受診はしないでしょう。何の得もないから。「自分でやれるもん」「やるしかないもん」「体質だから仕方ないもん」「やってはいるけど難しいもん」「ま、いつもより悪くなってないならいいんじゃないの」・・・いや別に他人に云ってるんじゃなくて自分に云って聞かせているんですけどね。いやあ、難儀、難儀♪
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