常識だと勘違い(2)腎性低尿酸血症(後)
(つづき)
腎性低尿酸血症は腎臓で尿酸の再吸収が行われないで尿中に排泄されてしまうのが原因で、腎近位尿細管レベルでの尿酸トランスポーターという機能の遺伝子変異が関与しているそうです。日本の患者さんは、男性0.2%、女性0.4%で約40万人弱いると推定されています。以前紹介したときには、定義や原因がどうであれ、問題は対処法なのであって、そこの部分があやふやだったらいたずらに不安を募らせるだけだから、それなら騒がない方がいいのではないかと思っていました。今回、そこの部分に若干具体的に触れてくれていました。運動後急性腎障害の予防として推奨されるのは、運動前の十分な水分摂取、NSAIDs服用後の運動を控えるなど。活性酸素抑制効果のある薬剤の運動前服用はエビデンスが不十分。また、一度急性腎障害を起こしたことのある運動で再発しうるので同じ運動は控えるべき、とも。腎結石予防は十分な水分摂取と尿をアルカリ化させるクエン酸製剤を飲むこと、だそうです。
少なくとも、ガイドライン作成委員の医師としても、当の腎性低尿酸血症の患者さんとしても、この疾患の存在を世に知らしめすことができたことが最大の成果だということ、よくわかります。でも、4月にガイドラインが発表されたことなんて世の臨床家のどれだけが知っていたでしょう。それこそこの病気の発症頻度より少ないかも知れません。とにかく世間に周知できるまでには地道な啓蒙活動が必須だと思います。
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コメント
おはようございます。
その節は、ありがとうございました。
他の検査で結石見つかりました…。
今回のガイドラインをお見せしましたよ。以前、訴えていたので少しはわかってきたようです。
浸透するのはこれからですね。
(名前変更しています^^;;)
投稿: Mo | 2017年7月30日 (日) 09時37分
Moさん
おはようございます。そしてお暑うございます。そちらはゲリラ豪雨の襲撃は受けておりませんか?
ガイドラインができた事、先日の書き込みで私も初めて知った次第です。うまいこと付き合って行ってください。
投稿: ジャイ | 2017年7月31日 (月) 06時30分
おはようございます。
iPhoneが頻繁になる時がありますが我が家は大丈夫です。あのけたたましい音は心臓によくありませんね。
ご心配いただきありがとうございます。
そちらこそ、気をつけてくださいね。
麦茶を摂って頑張っています。
水分でもお腹が膨れてしまい、若き頃のお気に入りのベルトが…(笑)。
まだまだ暑さも厳しいかと、ご自愛ください。
投稿: Mo | 2017年8月 1日 (火) 08時37分