太極拳と心リハ
Medical Tribuneから届いた記事の見出しについ食いついてしまいました。心筋梗塞発症後や心臓手術後の包括的リハビリテーションの継続がいかに重要かということは、その筋の者ならだれでも承知していますし、患者さんにもそのことを告げますが、実際の継続は意外にむずかしいものです。大病を患ったあと、自分の体力への自信が消失していることや臆病になってしまっていることも原因ですが、そもそもリハビリというのは面倒くさくて退屈なものです。日本でも心リハの継続率が高くないことは問題になっています。もっとも、日本では相変わらず保険適応が切れた後の心リハを継続する場がないことがまずは問題なのでしょうが。
そこで、このアメリカブラウン大学からの報告。『心リハの代替として太極拳が冠動脈疾患(CHD)後の身体活動、体力、体重、QOLに与える影響や安全性を検討した結果、6カ月間の太極拳プログラムにより身体活動量が増加するなど、心リハの代替として有望であることをJ Am Heart Assoc(2017;6: e006603)で発表した』『太極拳は、呼吸やリラクゼーションエクササイズのようなストレス軽減のメカニズムを通して心血管アウトカムに好影響をもたらす可能性が高い』と書かれています。
何となくこのオリエンタルで静かな動きが目先を変えてくれて楽しかったのが良かったのではないかと感じていますが、実は太極拳ってとても大きな運動量で、かなりの体力を要します。6か月間以降もそのまま太極拳を続ける人が増えると良いですね。そして、われらが少林拳にもおそらく同様の代替効果があることが推測されますが、どうしても太極拳に比べると”激しい所作”のイメージが邪魔をするのだと思います。是非こっちもどこかの施設が検討してみることを期待します。
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