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高齢者の人間ドック

高齢者に人間ドックは必要なのか?という議論はずっとあります。「80歳以上に人間ドックは不要!」と云うと、「年寄りを切り捨てるのか?」と怒る人がいるけれど、それは大きな間違い、というか誤解です。

日本の医療技術水準は高いので安全度は他の国に比べれば高いでしょうが、それでも人間ドックは身体に負担をかける検査をたくさんします。胃カメラだって大腸カメラだって子宮体がん検査だって、身体の中に異物を挿入する検査です。固い医療器具が粘膜を擦るのですから必ず傷をつけます。何らかの異常のために必要に迫られて行うわけでもないのに、身体に傷をつける危険性に対して無頓着すぎです。細胞が歳をとると回復にも時間がかかります。

検査で異常を見つけるメリットと検査で身体が傷つくデメリットとどちらが上か? 歳を経るほど細胞が劣化するのだから、若い人より病気を見つけ出す可能性は高いはず。それを病気と云っていいのかどうかは議論のあるところですが、異常値は確かに歳とともに多くなるでしょう。でも日々をきちんと過ごしておれば、そのほとんどは治療を要しません。それでも気づかずに進行がんなどを見つけたとしたら、おそらく根治術の適応ではありません。そうなると、治療もしないのに病気を見つけるメリットは果たしてあるのか・・・「自分は病気だ、でも治せない」では、存在が気になるだけ損なのでは?

乱暴な書き方をしましたが、年齢が上がるほど身体の異常は増えてくるし不調も増えてくるのが摂理。それならば通り一遍のスクリーニング検査に身を晒すのではなく、自分の身を任せられるホームドクターをしっかり持ちながら、日々の体調の相談をするのが得策ではないだろうか。

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