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2017年11月

ちょこっとお休み

またまたちょっとモチベーションが下降気味。

書きたいことはたくさん箇条書きしているし、面倒くさいわけではないのだけれどl、どうも文章に仕上げることができません。

ということで、1週間ほどお休みしてみます。

御愛読いただいている方には、申し訳ありません。

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何をする?

社会の中に居ると、自分の行動が上手くいったとかいかなかったとかで一喜一憂する。それは自分の行動に対する評価を受けるから。

それでは、無人島に独りしかいない状態ではどうか? 誰かが評価するわけではないから、褒められない代わりに非難も受けない。だから、自分の好きなことを何でも好きなだけすることができるのではないか?という話を知人から聞かれ、わたしはそれなりにマジメに考えてみた。

でも、結論はすぐに出てしまいました。

たぶん、何もしない。なぜなら、何をやってもたぶん何も面白くないから。やったことを共有できる他人がいないと、何もする気になれない気がするんです。わたしって、本当にやりたことがないんでしょうかね。

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毎朝の日課

朝、勤務先の病院の裏口から建物に入り、ロッカー室まで歩いて行く途中に長い廊下があります。左手には中庭があり、そこに大きなハメ殺しのガラス。毎朝その前を通る時には廊下側の電灯が灯って明るいので、ほとんど鏡のように見えます。

と云うことで、毎朝リアルな自分の姿を左に見ながら出勤。「だれ、このオジサン?」と最初はギョッとしたものです。車から降りて痛くて伸びない腰を何とか伸ばしながら重い荷物を抱えて歩く自分の姿。想像以上に前のめりで猫背。少林拳を始めてかなり姿勢は良くなったと自負していたのだけれど、まだまだです。鏡に映る自分の歩き姿を見ながら、そっと背筋を伸ばし直して姿勢チェック。

一日が始まる時にこうやって我がフリ眺めながら姿勢の修正をするのが毎朝の日課になりました。この歳になると、こういう強制修正をすることはとても大事。何度でも、何度でも。

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有酸素運動と動脈硬化

最近、有酸素運動の人気がやや停滞気味。高齢者のサルコペニアやフレイル予防には筋トレが大事とか、10000歩以上歩くとかえって身体に悪いとか、そんなアンチテーゼ的な印象を与えるコメントが多くなっているのが原因だと推測します。だから、このデータは有酸素運動主体派のヒトたち(わたしを含めて)に力を与えてくれる気がします。

ウォーキングなどの有酸素性運動が動脈硬化を3分の1以下に抑える

ウォーキングなどの有酸素性運動を習慣的に行うと、動脈硬化を抑えられることが、産業技術総合研究所(産総研)による10年間の追跡調査で明らかになった。  運動習慣がある場合、そうでない場合に比べて加齢による血管の老化を抑えられ、その進行の度合いは3分の1以下になるという
有酸素性運動による動脈硬化の抑制効果が最大になるのは、活発なウォーキングやジョギングなどを週に4~5日、30~60分程度行った場合

動脈の弾力性を示すスティフネスの低下(動脈が硬くなる)を改善させる効果が習慣的な有酸素運動には認められる、ということなのだそうです。「そんなこと10年前から分かっているわ。一酸化窒素(NO)が関係するんじゃろ」と突っこみたくなりましたが、わたしは”動脈硬化を起こしやすい遺伝因子”を多く持っていることを知っています(調べました)から、『遺伝的なリスクがあっても、運動習慣があれば、動脈硬化を抑制できる』というコトバにわたし自身を元気づけることができました。面倒くさがらずにがんばれば、きっと報われると信じましょう。

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不便?

『不便』と『便利』が共存すると、ヒトはどうしても『不便』に目が行く! というはなし。

うちの病院の画像システムがバージョンアップしたおかげで、病院内ではサクサクと快適に検査や読影ができている様なのですが、わたしの働く部署のシステムだけが昔のままなので、スペックが追いついて行かず、毎日不具合の連続です。

そんな毎日の中で、担当者は日々奮闘してくれているわけです。そのおかげで、とても便利に修正してもらえた部分がある反面、前より使いにくくなった面も生じてきました。こんな場合、担当者は「便利になったことをもっと褒めてよ!」と思うのでしょうが、利用者は不便になってしまった部分の方が気になって、「どうしてこの不便な部分が問題なんだということに気付かないのか?」と不満を膨らませるだけ。この感覚の違いは立場の違いからくるものなので、どうしても埋まらない溝なのかもしれません。

でも、最終的に総括すると、利用者にとっては『改悪』という印象になってしまうのが常。世の中のいろいろなシステムの更新や制度の変更で起きる問題です。「前よりこれだけ便利になりましたよ」とPRする裏で、必ず「なんであの便利な機能をやめたの?」と批判が出て、結局「今回の変更は無駄な変更だった!」という批判を浴びせられるわけ。まあ、しょうがないですけど・・・で、ほんの数カ月するとすっかり慣れてしまって、それが当たり前になるわけでしょう。

うちもそんな日が早く来ないかしら。

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まめ太郎2017受け取りました

今年で4回目のまめ太郎チャレンジ。去年はちょっと慣れっこになってしまって目的は達成できなかった感があったけど、今年はどうなりますか。そんな魔法のライフコーダ『まめ太郎2017』を昨日受け取りました。

『まめ太郎』を身に付けるとそれなりの効果があるから、「それならずっと身に付けてたらいいんじゃないんですか」と云われるけれど、それはムリ。3か月の限定だから頑張れる。その感覚には変化がありません。ただ、慣れてきて、3か月限定でもあまりストイックに取り組めなくなっているのがちょっと気になります。1年目に10キロ以上減量できたものだから、「まめ太郎を身に付けさえすれば何もしなくていい」と勘違いしている自分が居るのは確か。

昨日測定の体重80.7kg、体脂肪率21.9%、脂肪量17.7kg、筋肉量59.7㎏

前回の最終測定値は体重76.2kg、体脂肪率19.1%、脂肪量14.6kg、筋肉量58.4㎏

ま、再び増えた4.5㎏の大部分が脂肪だと云うことと、心配していたほどは筋肉量が落ちていなかったことがわかりました。まだ正式には決まっていませんが、今回の行動目標考えてみました。

1.歩数8000歩:10000歩以上歩くと股関節が痛くなって足の裏が痛くなるようになったのと、散歩の友のワンが歳を取ってあまり長く歩けなくなったから、ちょっと短め目標に変えました。

2.ウエストのシェイプアップ:体重減少は必要ないが腰回りをスッキリさせたい。そのための体幹トレーニングを今回こそ毎日行いたい。

3.夕食前に酒を飲まない

4.仕事帰りにコンビニに寄らない

5.うたた寝しない

6.23時までに就寝

ここまでは昨年までとほとんど変わらないので、何か新しいものをと考えてみたのは、

7.姿勢の確認を朝昼晩3回行う:年寄りの象徴=猫背にならないようにしたい

8.毎日最低1つのゴキゲンなことを見つける

さてさて、どうなりますことやら。

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我慢

『我慢(がまん)』と云えば「辛いことを耐え忍ぶこと」ですが、元々の由来である仏教用語としての『我慢』の意味は全く違います。

煩悩のひとつで、強い自己意識やプライドからくる慢心のこと・・・『我に執着し、我をよりどころとする心から、自分を偉いと思っておごり、他を侮ること。高慢』と解説されています。

4つの煩悩=四漫(増上漫・卑下漫・我漫・邪漫)

うぬぼれのこころ=七慢(慢・過慢・慢過慢・我慢・増上慢・卑慢・邪慢)

漫=自分より劣った人を上から見下す心、傲慢

ほーら。だからね、我慢強いことは決して良いことばかりじゃないのよ。生活習慣病の行動変容を促すときにみんなが使うことばが『我慢』ですけれど、「我慢の先には健康はない」といつもわたしが云ってきたじゃないですか。我慢は傲慢、「うぬぼれの心で意地を張ることなんだ」と思えば、我慢なんかしなくなれると思う。”欲を得るために漫を捨てる”は、仏教的には本末転倒なのかもしれないけれど、この屁理屈、なんか気に入ったから、今度の講演で使っちゃおうかな。

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禁煙何年で喫煙歴ゼロと同じ?

日本の喫煙者のがんリスク、禁煙何年で喫煙歴ゼロと同じに?

日本人のがん罹患リスクは、男性で21年以上、女性で11年以上禁煙すれば、喫煙歴のない人と同レベルまで低下することが、東京大学の齋藤 英子氏らによる研究で明らかになった。男性では、20 pack-year以上のヘビースモーカーにおいても同様の結果であるという。早いうちに禁煙することが、がん予防への近道であると考えられる。Cancer epidemiology誌オンライン版2017年11月2日号の報告

CreNetに紹介されていた記事を読む。本数は検討されているけれど禁煙開始までの喫煙年数は書かれていません。ただ、これをどう読み解くのか? 「影響をゼロにするにはそんなに多くの年数を要するのか」と落胆し、「じゃあ、今さらやめても大差ないかな」と云い訳の方に持って行くのか、「そんなに大変ならさっさと止めちゃえ」と持って行くのか。あるいは、「どんだけ吸っていても吸ってないときと同じレベルまでになれるんだ」ということに感動するのか。

これは・・・非喫煙者は禁煙指導に利用できると思うかもしれないけれど、喫煙者は諦め理論の根拠に利用するのが必然でしょう。かといって、もしも逆に5年くらいでご破算にできるなんて結果が出たら、やめる人が増えるどころか、逆に「いつでもやめられるわ」派が増えるだけでしょう。

いつかはやめようと本気で考えている誰かがこれをみて、実行のきっかけになってくれるといいですね。ちなみにわたしの齢で禁煙に踏み切ると、がん罹患リスクが普通と同じになるのが80歳・・・そこまで生きてないだろうなあ(笑)

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アテンダントさん

身内の手褒めみたいで申し訳ないですけれど、うちの職場のフロアアテンダントのお嬢さん方は、若いのにとても優秀です。

なにしろ大勢やってくる受診者の皆さんの道先案内人。決まった順路に従って決まったように進ませるのではありません。空いている検査を確認してバランスよく各々違う所に案内するのです。何かとクレームを云う人もいるし、どうしたらいいか分からず途方に暮れている人もいます。予定していた検査が予定通り進まない時もあれば、予定していた医者が急に休む場合も少なくありません。医師に結果説明をお願いしようとしたら「わたしはイヤ」と門前払いを食らわされることもあります。そんな日々、何事もなかったかのようにスムーズに流れて一日が無事に終われるのは、ひとえにこのアテンダントの皆さんのおかげなのです。彼女たちが夕方遅くまで翌日の計画を綿密に立てているのを知っています。

何年も居るベテランさんに指導を受けた若いお嬢さん方が本当に優秀なので日々感心している次第です。理不尽なことを云われてもきちんと対処し、顔色ひとつ変えずにいつもニコニコして臨機応変に捌いていく。よく考えたらわたしたち医師はいつも彼女たちの小さな掌の中で踊らされているわけですが、それが心地いいと感じるくらいです。どうして一人も”ダメな子”が居ないのか、そんなにまでして頑張れる理由は何か、最近はそんな思いで彼女たちを眺めています。もちろん、何人もの人が短期間で辞めて他の仕事に移っていきましたから、自然淘汰されて残った人たちであることは確かなのですが、それでも、一人か二人は”できない子”がいて、周りがそれを上手くフォローするというのが普通の会社。おそらく病院の看護師さんや技師さんや事務職たちの集団には必ず居るはずです。

仕事をする上で万事を彼女たちに任せられるというのは、とても楽です。本当に良い環境で働かせてもらっています。唯一の悩みは若い女性たちだから、結婚や出産や夫の転勤で居なくなってしまうだろうということ。

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低体温

「体温が35度くらいしかないんです。どうやったら、体温を上げられますか?」

先日、健康相談に来た70代の女性の相談はそんな内容でした。

「何か体調でもわるいんですか?」
「いいえ、とても元気です」
「なのに、今の体温が不満ですか?」

そう聞いたら、「こないだテレビでやってたでしょ。『体温が低いと免疫力が落ちてがんになりやすい』って。体温が1度下がるだけで免疫力が〇%落ちるって云ってたのを聞いて怖くなって。テレビでいっていたとおりに運動したり生姜を食べたりしたけど、体温が上がらないんです。あと、どんなことしたら体温が上がりますか?」と切々と語られました。

困ったもんです。テレビの健康番組で云っている理屈は正しい。でも、こうやって必要もなく悩む人がたくさん出てきているであろうことをもうちょっと配慮して番組を作ってほしいです。ターゲットになっている主体は最近の若者でしょう。空調管理や食事のバランスの悪さ、あるいは運動不足などで自律神経がちゃんと働けなくなっている若者たちの平温は、たしかに低いと思います。彼らはもう少し代謝を上げてやらないとがんだけでなく簡単に感染症になったりしますから、代謝を上げるための生活の注意はしっかりすべきでしょう。高齢者もまた動くのが億劫になって家に引きこもり、筋肉が落ちてきてロコモやサルコペニアの問題に派生する可能性もありますから、代謝を上げる努力はするに越したことはありません。

ただ、日頃からそんなこと普通にやっている人たち(こんな人たちの方がかえって健康に気を配るのでこういう番組を見るのでしょうが)がさらに気をつけても上がらない体温は、上がらなくて正解なのだと思います。このカラダにはこの体温でいいとカラダが判断しているから上がらないのに、「がんばっても体温が上がらないので自分はがんになりやすいのではないか」と悲観させてしまうなんて、なんか悲しい限りです。

みなさん、くれぐれも、『健康』に押し潰されません様に。

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腎結石とがん死亡

再発腎結石はESRD、死亡の高リスク

腎結石は末期腎疾患(ESRD)および心血管イベントのリスクの増加と関係する』と云われており、『初発ではなく再発の症候性腎結石患者は末期腎疾患および死亡のリスクが高いこと』などをアメリカMayo ClinicのTsering Dhondup氏らが報告した、という記事もMedical tribuneで紹介されていました。

つい数日前にも結石が排石されたばかりのわたし。高校卒業後から尿管結石は何度も経験し、一晩に左右から落ちたこともあれば、年に3回も4回も排石された経験もあります。となると、わたしは、『再発の症候性腎結石は、より高い死亡率、特にがん死亡率と関係する』というやつに当てはまるわけで、腎臓がんと尿路のがんに注意が必要だということなのでしょうか。たしかに若い頃に生命保険に入ろうとしたらに、「尿管結石の既往がある」というだけで、がん保険には入れなくて、「何の関係があるんだよ」とアタマに来たことがありました。あれは、決して的外れではなかったということでしょうか。

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慢性腎臓病と身体能力

Medical Tribuneの配信記事にCKD(慢性腎臓病)の指標であるeGFR(推算糸球体濾過量)と身体機能についての記事が2つまとめて出ていました。

CKD患者の身体機能に歩幅が関連

eGFR低下は身体機能を左右しない

基本的に欧米人のデータなのであまり深くは読む気にはなれないのですが、CKD患者の運動障害や身体機能障害が合併症や死亡の要因となるため、『身体機能低下の予測因子は高リスク症例の早期発見を促す可能性』があるというのは周知の事実。そして、その予測因子に歩行速度だけでなく歩幅も重要である(『歩幅が狭いことが身体機能の低下や転倒のしやすさと関連する』)という報告をしたのがアメリカAlbert Einstein College of MedicineのMatthew K. Abramowitz氏らです。「で、だから何?」と突っこむのがわたしの趣味。要するに、「CKD患者さんはできるだけ意識して歩幅を広くさせながら早足で歩くように指導しなさい」ってことなの?

何か違うんじゃないの?と思ったところでもうひとつのアイルランドからのコホート研究の報告(Trinity College DublinのMark Canney氏ら)です。『高齢者ではeGFRが低値であるほど身体機能検査の成績が悪い』ことは分かっているが、これは腎機能が下がるから身体機能が低下するのか?という検討。背景因子で補正したらeGFRの程度が高くても低くてもリスクに差はなかったという結果が出たそうで、要するに「この相関関係は結果であって原因ではない」ということがわかったということなのだと思います。ま、そらそうでしょうね。「だから何?」という点では同じですかね。

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赤属性

うちの施設では、いろんなトラブルがあった受診者を『赤属性』といいます。説明画面の中にある属性項目が赤色に換わっている場合は、「こっそり注意事項を読んでおきなさい」というもの。もちろん、中身は千差万別・・・アレルギー情報や以前の検査で貧血を起こしたなどというものもあればクレームを毎回云われるとか突然キレるとか、そんなものまで。

で、この後半の部類の赤属性の人が来るとかなり緊張するのですが、それでも最近こういう人は本当に少なくなった気がします。そもそも、事務方のお嬢さんや保健師さんたちには上から目線の高飛車な態度でクレームばかり云うのに、医者の前では手のひらを返したようにニコニコして従順に話を聞く人は少なくありません。

それを考慮しても、10年前に比べると明らかにそういう連中は減りました。診察室に不機嫌きわまりない態度で入ってくる人も少ないし、突然しつこく文句云う人も少なくなった。どうしてなのだろう、と考えてしまいます。経年的に自然淘汰された(そういう連中は受診しなくなったとか毎年のことだから諦められてしまったとか)可能性もあれば、経験数が増えて自分の対応の仕方が上手くなった可能性もあります。でも、世の中ずっと続いているものというのは、どこもこういうものなのかな。

どっちにしても、いいこと。

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LDLと感染症

出た出た。「超善玉ホルモン(長生きホルモン)ことアディポネクチンが多いと骨粗鬆症になりやすい」と云うデータに続いて、今度は「LDLコレステロールが多いと感染症になりにくい」と云う報告。

LDL-Cは血液透析患者の感染症リスクを低減

これは血液透析患者に限った検討ではありますが、『LDL-Cは細菌性毒素の吸収および不活化に働いて、先天免疫に関与している可能性が考えられている』という理論は普遍的な内容なのでしょうから、生命予後には有意な関連はないにしても、一般人でも「LDLコレステロールを減らすと感染症になりやすい」可能性はあるのではなかろうか。

『血液透析患者における動脈硬化性疾患ではLDL-Cよりも炎症の関与がより大きく、炎症そのものや細菌性毒素などが炎症を起こすプロセスの抑制がより重要な可能性がある』というコメントは重要な示唆だと思います。

というか、やっぱり生き物のカラダに存在するすべてのものには大事な役割があって、「少なければ少ないほどいい」なんてものは存在しない(そんなものがあるなら最初から消えてなくなるはず)し、「多ければ多いほどいい」というものも存在しない(そんなものがあるなら最初から増量し続けるようにプログラムされるはず)という当たり前の摂理を、世の中のすべての者があらためて認識すべきであるということを示していると感じています。

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達観した子ども

Infants make more attempts to achieve a goal when they see adults persist.
(大人が粘り強いのを見ると幼児は目標を達成しようとする試みを多くする)

毎月、日本ポジティブサイコロジー医学会の会員宛に配信されてくるメルマガの10月号の中にこういう論文が紹介されていました。Science 2017,357に掲載されたもので、生後15か月の幼児に対して、大人がいろいろ試行錯誤しながら目標達成のために粘り強く努力している姿を見せると、大人が楽に目標達成できている姿を見せる場合に比べて、その後自分に課せられた新しい課題を克服しようと試行錯誤する態度が強くなることが分かったそうです。紹介と解説をしている京都大学の高橋英彦准教授によると、子どものうちから周囲の大人(特に親)が目標に向かって努力を重ねている姿を見て育つと、努力することの普遍的価値を見出して、新たな課題に直面した時に粘り強く試行錯誤を繰り返す姿勢が強まることを示しているとのこと。

そんなサマリーを読みながら、すぐに違うことを考えてしまうわたし。「人生、努力するココロを持って貪欲に頑張ることが大事なんだぞ」ということを、幼少の頃から身に付けていることが、人間のココロの成長を促し、将来の成功につながるのだということに納得する一方で、物心ついた頃から、邪念を持つことなく一切の欲も抱かずあるがままにすべてを受け入れる聖人のような生き方をする親の姿を観て育った子の価値観はどうなのかしら? 仏陀やキリスト以上のカリスマが育ったりしないのだろうかと、今のわたしはそっちの方がはるかに興味があります。

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健康講話

毎年恒例のイベントとして引き受けて来ていた2つの講演を今年度はお断りしました。1つは某企業の退職前の職員に退職後のライフプランを立てさせる研修会の中での健康講話。もう1つはこれから健診や特定健診に携わる保健師さんたちに対する講義です。昨年も一昨年も辞退の意思表示をしていたのになんやかやと押し切られてしまったから、昨年度の講演の最後に、「もう本当にこれで最後ですから」と断言してやっと実現しました。

断わった理由について、公式には「5年以上続けると内容がマンネリ化して新鮮味がなくなるから」「わたしの話はハッタリ主体なので、もっと若くて詳しい人に替わった方がいい」ということにしています。「どうせ新しい講師を探すのが大変だから惰性で依頼しているのでしょ!」と皮肉を加えて。でも、本当の理由は違います。

ライフプランの方は、いつのまにか対象者が皆わたしより年下になりました。自分が対象年齢より年上になった以上、これから健康を維持するためにどういうことに注意したらいいかという自分の話す理論について、自分が体現させていなければ示しがつかないではありませんか。「で、先生はしているんですか」と聞かれた時に、できてないと全然説得力がないですからね。保健師さんたちへの講義も同じ。自分のできてないことを話すと単なる机上の空論になりかねません。「おまえは、自分ができもしないことを人にさせようとしているのか?」と疑われそうですが、わたしは自分のできないことは話しません。自分のできることを話します。だから、話す内容が徐々に教科書的な理論とは離れていきつつあるのであります。

生活変容の専門的な話は、全く他人事の立場の人が話す方がグイグイ引っ張っていけるものです。

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健康長寿

特別にやりたいこともないのに、健康長寿を目指す意味なんかあるのだろうか?という疑問が、ずっとわたしのアタマから離れません。

「何のタメに節制するの?」

「やりたいことをやって、健康で長生きするためよ」

「やりたいことがないのに?」

「やりたいことを探せばいい」

「長生きするためにやりたいことを探すの?」

こんなことをすると寿命が何年短くなるとか、あんなことをしていると死亡率が何十パーセント高くなるとか、逆にこういうものを食べると長生きできるとか、そんな健康に関するデータが毎日のように発表されています。「早死にするよりは元気で長生きな方が良いに決まっているでしょ!」と云われるけれど、ホントにそうなのか。「死ぬのは怖い。だからできたら死ぬことを考えたくない」・・・というのは理解できるけれど、無理して長生きすることの意義がよく分からなくなっている今日この頃であります。

まあ、神様に生かしてもらっている身としては、「つまらないことを考えずに、今という時間を一生懸命に生きなさい」と叱られそうなので、この辺にしておきましょか。

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アップルの社員証

昨日、フェイスブックを眺めていて、こんな記事を見つけました。

<Appleの社員証の裏につづられた11の言葉>

JB(ジョン・ブラウン)の成功するためのルール

・活かすべきは、未来だ。古いものは手放そう。
・いつも真実を伝えよう。悪い知らせほど、早く聞きたいものだから。
・誠実であること。そして、何かに疑いを抱いたら、すぐさま尋ねよう。
・その他大勢の営業マンではなく、優れたビジネスマンになろう。
・床掃除は全員で。
・態度、話しかた、周囲へのフォローにおいて、プロフェショナルになろう。
・お客様の話に耳をかたむけて。ほとんどの場合、お客様は分かっているのだから。
・お互いが利益を得るような関係を、パートナーと築くこと。
・従業員同士が気を配り、情報共有をするような環境がよい。
・あまりにも生真面目になりすぎないこと。
・楽しまなければ、意味がない。

昨日は、これからの事業を進める上で、今だからこそできることはなにかを考える会議を1時間行ったばかりでした。利益を得られる企画がどうだとか、健診事業のあるべき道はどうだとか、そういうものではなく、純粋に『人々が健康を得られるような試み』を考えたい、という話し合い・・・現実を考えるとなかなか夢を語れない時代、だからこそもっとウキウキ(受ける側も提供する側も)する企画を考えたい。そんな会議の後だったからこそ、妙にこの記事がココロに響きました。特に、最後の2つ・・・『あまりに生真面目になりすぎないこと』『楽しまなければ、意味がない』・・・是非ともスタッフの全員がこの2つの言葉を常に意識して生きて行ってほしいと思いました。

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高血圧の持論

「そうなんだよ。だからオレは1年間飲まされたクスリを、すっぱりやめたんだ」

わたしより若干若い彼は、突然饒舌に語り始めました。「クスリを飲むと良い感じの値になります。それはとても良いことなのですが、そうなると人間は努力をしなくなりますから、気を付けてくださいね」とわたしが云ったのがきっかけでした。

「人間として耐えられないんだよ。クスリを飲んで正常にしないといけないなんてことは本当じゃないと思うし、ワタシはそんなのは好かん。そんなものに頼らなくても、日常をきちんと生きておけば絶対に良くなるはずなんだ。一体、ワタシのやり方の何が悪いから、血圧が下がらんのかい? どうやったら良くなるのか教えてほしい」と彼は云うのです。

それだけ頑張っていても下がらないのなら、『体質』というものだから、現代社会に生きようとする限りクスリの助けがないと難しいと思います。「今の仕事をすっぱりやめて、どこかの山奥に篭って社会とのつながりを断って、自給自足、悠々自適、晴耕雨読の人生を送るなら、クスリなんて要らなくなると思いますけど・・・」と云ったら、「そんなことはムリだ」と一蹴されてしまいました。「それはおかしい。ワタシは何も悪いことはしていないのだ。運動も食事も睡眠もきちんと注意して生きているんだから、そんなワタシがそんな仕打ちを受けなければならない道理がない」・・・。

納得はしてもらえませんでした。「高血圧がずっと続いている方が圧力に慣れている。いつも低い血圧の連中は急に圧力が上がると慣れないものだからすぐに壁が壊れるかもしれないが、ワタシのように何十年も高血圧の人間は鍛えられているから大丈夫なんだ」と持論を展開して高血圧治療を拒んだ男性が居ましたが、わたしの説明に納得してもらえなかった二人めの御仁です。奇しくも、どちらも教職の方でした。

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練習もしていないのに気づいたら本番の舞台に立っていて、もうすぐ自分の台詞の順番が回って来そうな夢

試験勉強どころか教科書を開けたこともないのに、今から試験が始まろうとしている夢

もうやり方も覚えていないのに、今から緊急カテーテル治療をするように急きょ指示されてとりあえず手洗いを始めている夢

昔好きだった人に、こっそり出会う夢

亡き母や父が元気にしている夢

中途半端な空中を飛ぶ夢

何か怖い者に追いかけまされる夢

隠れてタバコを吸う夢

ナイフを刺されて大出血し、徐々に血圧が下がっていく夢

街中の民家の並ぶ中でティアップしてドライバーを振ることを強いられる夢

色々な事情が続けて起きて、なかなかゴルフ場に辿り着けない夢

・・・数か月に一度は見ていたこんないろいろな夢が、ここ1年以上、まったく現れなくなったのはなぜかしら。

小便や大便をしたくて便所に行くのに便器が見当たらずに苦しむ夢はいまだによく見るのだけれど・・・。

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道の駅のトイレ

今日は日帰りでサッカーの贔屓チームの応援に大分まで行ってきましたが、今朝が寒かったせいかお腹の調子がおかしくなりました。行きの山越え途中から何度もお腹の中に大きな嵐が押し寄せてきまして、やむを得ず道の駅阿蘇のトイレに立ち寄った次第。

一時期のドライブインのトイレといえば、汚い、臭い、暗いが定番でしたが、最近の道の駅のトイレはきれいに手が加えられ、どこもウォシュレットでしかも便座が暖かい上に温水が出る。とってもうれしい限りです。道中のコンビニで用を足そうとすると一つしかない大便器は大概使用中で、決まって先客の用足しが長いので、ギリギリで行って待っているのがとても辛い。運動施設のトイレは最近洋式が増えたのは有難いけれど、概ねウォシュレットではない。歳を取って来ると粘膜が弱くなってきているから、何度も使うとお尻がヒリヒリしてきて辛い。

だから、阿蘇路の道の駅のトイレがどこもリフォームしてくれたことに気付いて、とても嬉しい気分に包まれている今日この頃です。今日は、3か所で恩恵を被りました。

それにしても、このお腹、どうしたものか。

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高血圧治療、本当は?

中国成人の約半数が高血圧、うち7割は服薬なし

『35~75歳の中国成人において、ほぼ半数が高血圧症を有し、治療を受けているのは3分の1未満で、血圧コントロールが良好なのは12分の1未満であることが明らかになった。中国医学科学院・北京協和医学院のJiapeng Lu氏らが、約170万例の代表サンプル成人を対象に行った、住民ベースのスクリーニング試験の結果を報告した。』

Lancetで報告されたこの記事。中国の現状を表し、最後に『中国人のすべてのサブグループで、血圧コントロール率が低い集団が認められた。幅広くグローバルな戦略、たとえば予防へのさらなる取り組みや、優れたスクリーニング、より効果的で手頃な治療が必要であることを支持する結果であった』と書かれているのを見ながら、循環器科医なのにちょっとだけ違和感を感じています。中国人の食べるモノやあの大気環境が動脈硬化予防にどれだけ悪いかは想像できますが、一方で、痛くも苦しくもないのに金出してクスリを飲むなってことをしない国民性だとかいうことを考えれば、大して驚くデータではないように思います。それよりも、この自然歴に近い現状の集団から、本当に脳卒中や動脈瘤などの脳血管疾患が多く生じているのか? 高血圧が野放しにされていたり十分な降圧をしなくても、リスクはそう高くないと云うことはないのか? そこのところのデータはどうなのだろうか、という疑問。「高血圧は厳格な降圧治療すべきである」ということを前提に研究されていますが、これまで日本を含めて世界中で示されてきたエビデンスが中国人に本当に当てはまるのかは分からないのではないかしら。日本ではそれなりに降圧剤を飲んでいる人が多いのでもはや自然歴の研究は至難のワザです。アジア人と云う点では似ていても、生活習慣や食習慣、あるいは考え方まで全く違うのだから、日本人の常識を中国人にそのまま当てはめるわけにもいきますまいに、とふと思った次第です。

素人みたいなこと書いて、ごめんなさい。

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始業時間

朝早く、始業時間前から持ち場のパソコンの立ち上げや機材の準備を済ませたスタッフたちがぞろぞろと朝礼のために集まっていきます。朝礼も始業時間前の自主的な行動です。

そんな彼らを毎朝眺めながら、つくづく「えらいなあ」と思います。むかしはこういう行動は当たり前のことと考えられていました。ところが今は・・・『働き方改革』の中で、彼らがやっているような始業時間前の業務は、『時間外労働』に当たるのだから、それを強要するなら時間外手当を支給するのが当然である、という考え方がまかり通る時代です。ですから、最近の若い世代は、始業時間ギリギリにやってきてタイムカードを切ることに何のためらいもないのだそうです。

「いやいや、仕事を始める前に来てココロの準備や環境の準備が必要だろう。始業時間ギリギリに出勤してきてそのまま仕事を始められるはずがないじゃないか」と思うのはわたしたちの世代。特に、わたしたちのようなお客様(患者さん)相手の仕事だと、「8時に開始します」となれば8時にデスクのパソコンを起動したのでは遅いわけで、うちでも「あの先生は毎回、診察開始時間が5分遅れてしまう」という苦情がアテンダントさんなどから出ることもありました。

ただ、よく考えたらこれは契約をする時点で間違っていますね。8時に業務が始まるのに8時からの仕事契約してるのがおかしいのであって、その前準備を自主出勤の中でさせようというのは単なる”良心への期待”でしかありません。当然、契約時間を7時50分からとか45分からとか、早めて契約すればいいこと。日本も完全なる契約社会になっている以上は、そういう部分の曖昧さはなくすべき時代になったようです。まあ、それをしたらしたで、「ちゃんと金を払っているんだからやるべきことは最大限やってもらわないと困る」と雇用者側の態度が硬化して一層ギクシャクしそうで心配なのですが、これは杞憂というものでしょうか。

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夜勤とメタボ

夜勤で腹部肥満リスクが上昇か

人間は太古から日の暮れと同時に床につき、朝日と一緒に目を覚ますように設計されていて、生活環境が変わっていってもこの慨日リズムは変わりはしないわけですから、深夜勤務が多ければ生活習慣病に陥るリスクが高いのはあたり前です。

深夜勤務が多いとメタボになる理由について、「夜勤による睡眠の妨げが主な原因であることに疑問の余地はない」「人間の身体は食欲に関係するホルモンをリセットするため、夜になると眠るようにプログラムされている。そのため、眠るべき時に眠らないとこうしたホルモンのバランスが崩れて必要以上に食べてしまい、肥満につながると考えられる」と書かれています。単純に何時間眠ればいいとか云う問題ではなく、夜中に出てくるべきホルモンが出てきて、出なくなるべきホルモンが出なくなれるかどうかは、何時に床につくか、床につく前に何をしているか等々、何かと微妙な条件の組み合わせの歯車を動き始めさせられるかどうかにかかっていることがわかってきています。

「そんなこと云ったって、夜しか働けないんだよ!」と苛立つ方も多いでしょう。夜勤はメタボになりやすいから、その分、昼間の生活習慣をそれ用に合わせなければならないことはわかっていても、社会や家族とのつながりを遮断するわけにはいきません。なかなか難しい問題です。

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なにげに霜月

睦月如月弥生卯月皐月水無月文月葉月長月神無月、霜月、師走・・・。

ふう。正直に云おう。最近、こんな当たり前のことがソラでスラスラと云えなくなってきた。これだけ並べるのに何回スマホの力を借りた事か。自分の生まれ月(4月)すらうろ覚えで、「睦月だったかな」と云ってみたりなんかする。なんかね、アタマの中の記憶の袋にね、虫でも食ったのかこっそり小さな穴が無数に開いてしまっててね、気付かない間に穴からいろんなものが転げ落ちて溶けてなくなろうとしているみたいなんだ。なんかね、これだけのことなのに、妙に情けなくなってくるんだね。覗きこんで確認してないから気付いてないけれど、もっとたくさんの常識が、まだ自分の財産として持っていると思い込んでいるのに、すっかり消えてなくなっていたりなんかするんだろうね。

うちの職場の共有ファイルのキャパがいっぱいいっぱいになっているので早急に要らないものを削除しろ!と管理者が緊急告知を繰り返しているのだけれどね。わたしのアタマの中の記憶のキャパなんて単純な心太(ところてん)式だから、時々使って新しい順に戻しておかない限り、回転寿司よろしく、どんどん押し出されていくんだろうな・・・ま、いいか。

職場の個人ファイルに溜めてあるデータも、この際、全て削除しちゃおかな。困るようで、全然困らない気がするし・・・。

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